【新華社ワシントン5月20日】中国の北京大学率いる研究チームが、高出力単一細胞RNAシーケンス技術を使い、新型コロナウイルス感染症の回復期患者の血しょうから複数の高活性中和抗体をスクリーニングすることに成功した。動物実験の結果、これらの抗体が同感染症の治療薬開発や短期的な予防に利用できる可能性があることが示された。研究成果は17日、米学術誌「CELL」の電子版に掲載された。
研究は北京大学未来遺伝子診断イノベーションセンターの謝暁亮(しゃ・ぎょうりょう)主任が率い、北京佑安医院や中国医学科学院医学実験動物研究所、軍事医学研究院微生物流行病研究所などの機関が協力した。
論文では、特異性が高い中和抗体が新型コロナウイルス感染症の血しょう療法で有効成分になると説明。中和抗体がヒトの免疫システムで生じ、ウイルスが細胞に感染するのを効果的に阻止できるとした。
謝氏は新華社の書面インタビューで、研究でスクリーニングした中和抗体が新型コロナウイルス感染症の治療や短期予防に利用できる可能性があると指摘。研究チームが積極的に臨床試験を進めており、治療薬の完成に自信を持っていると述べた。現在、中国国内の新規感染者数が少ないため、臨床試験はオーストラリアなどで行われる。
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