【新華社南京3月17日】静かに育っているように見える植物も、地面の下ではさまざまな「交流活動」を行っている。中国、ドイツ、英国の科学者が共同で行った最新の研究により、隣り合って生えている植物同士が根元から分泌される化学物質を介して互いに「対話」している可能性があることが明らかになった。こうした化学物質による「コミュニケーション」は植物が育つ微環境を変え、養分の供給を調整し、植物の収穫量にも影響を与えている。
研究を主導した中国科学院南京土壌研究所の孫波(そん・は)研究員は16日、植物の根が生長に必要な栄養分を土壌から吸収するとともに、化学物質を分泌していると説明。これらの化学物質が元の土壌にある水や気体、生物などの微環境を変化させ、こうした変化が周囲の他の植物にも影響を与える可能性が高いとの考えを示した。
研究チームは今回、中国南部の畑でよく隣接して植えられるラッカセイとキャッサバを研究対象に選び、植物間における化学信号の相互影響メカニズムを具体的に研究した。
孫氏は「今回の研究は、植物の根元から分泌される化学物質が、異なる植物間の『コミュニケーション』や『対話』の鍵になっている可能性を示している。これらの『化学的対話』のメカニズムを解明することで、より多くの植物生長の謎が明らかになり、さらに科学的かつ効果的に農作物が栽培できるようになる」と語った。
研究成果はこのほど、微生物分野の学術誌「Microbiome」に掲載された。(記者/王珏玢)
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