高黎貢山の野生群生地に咲く大理コリバス。(新華社配信/高黎貢山国家級自然保護区保山管理保護局騰衝分局提供)
【新華社昆明8月8日】中国雲南省高黎貢山国家級自然保護区での生物多様性調査の際、中国にのみ生息し、希少絶滅危惧植物に指定されている大理コリバス(学名:Corybas taliensis T・Tang)の野生群生地を2か所発見した。専門家の暫定的な観測によると、野生群生地の総面積は1万平方メートルを超えるという。
「中国西南地区における極小個体群の野生植物調査と遺伝子資源保存」プロジェクトの野外調査チームの鑑定によると、今回高黎貢山で発見された同種の野生群生地は、同プロジェクトで指定される潜在的極小個体群に該当するという。研究者は同地域で同種の分布・生息を確認したのはこれが初めて。
調査では、雲南省騰衝市に位置する同種の野生群生地は、主に同山の標高2400~2700メートルの岩地や苔繁殖地で、約1万平方メートルに及ぶこと、また2か所目の同省瀘水市の生息エリアの面積も約400平方メートルに及ぶことが明らかとなった。
高黎貢山の野生群生地に咲く大理コリバス。(新華社配信/高黎貢山国家級自然保護区保山管理保護局騰衝分局提供)
調査に参加した中国科学院昆明植物研究所副研究員の刀志霊博士によると、「同種は人による干渉を受けやすい場所に分布・生息しており、早急に潜在的極小個体群として保護する必要がある」という。同種は、生育環境に非常に影響を受けやすく、本来の生育環境から離れると生育困難となる。一旦環境が破壊されれば、深刻な絶滅危機に瀕するだろう。
刀博士は、同種はすでに『中国高等植物受威脅物種名録』(2017)及び世界自然保護連盟認定の「絶滅危惧種(EN)」に指定されている。これまで、高黎貢山自然保護区は、大理コリバスの生息地域に含まれていなかったが、今回の発見を受け、同区の生育種として登録するとした。
今後、同区保山管理保護局の騰衝分局と怒江管理保護局瀘水分局は、同山に生息する同種の現場保護を強化し、関連専門家と連携し、極小個体群指定の植物の科学研究と保護を積極的に行っていくとしている。(記者/林碧鋒)
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