中国社会科学院の財経戦略研究院と観光研究センターはこのほど共同で、「レジャー緑書:2017-2018年中国レジャー発展報告」発表会・シンポジウムを開催した。同報告によると、シルバー族と言われる高齢者クラスターがレジャー旅行消費市場で重要なパワーになっており、高齢者向けレジャー産業の発展は高齢者の老後の生活の質を高め、素晴らしい世界に対するニーズを満たす上で有効なルートを提供したという。人民日報海外版が伝えた。
中国の高齢者がレジャー旅行に出かける頻度やその消費水準は高い。現在、高齢者の収入には多様化の傾向がみられ、退職給与のほか、預金の利子、投資の収益、子どもからのお小遣いなどがあり、レジャー旅行をする上で重要な前提になっている。高齢者には十分な余暇時間があり、レジャー旅行への意欲は高い。統計によれば、レジャー旅行に出かける高齢者クラスターのうち、2~3回目という人が約49.1%に上り、1回目は38.4%、4回目以上は12.5%だった。旅行日数は年に10日間以下という人が最も多く、11~20日間は24.9%、20日間以上は13.5%だった。ここから高齢者クラスターの旅行の頻度が相対的に高いこと、旅行日数も相対的に長いことがわかる。
現在、高齢者のレジャー旅行では家族旅行と団体ツアーが中心で、家族と一緒が73.9%、友人や同僚とが48.4%に上った。高齢者はレジャー旅行を通じて家族との絆や友人などとの友情を深めたい、家族の関係をよりよくし、人との交際を充実させたいと考えている。高齢者は旅行のコンテンツでは農村の風土や景色、都市の文化、特色ある民俗的イベントに最も興味を抱き、静的で、親しみやすく、ゆったりしたコンテンツが中心になり、伝統的観光商品や文化旅行商品を重視する。高齢者のレジャー旅行の消費水準は高く、同報告によれば、旅行消費額が1万元(1元は約16.4円)以上が31.8%を占め、市場の潜在力は非常に大きい。高齢者のレジャー消費の構成要素のうち、消費水準が最も高いのは飲食で、平均消費額が2295.1元に達した。次は交通で2120.7元、さらにショッピング、宿泊が続き、観光地の入場料などの平均消費額は相対的に低かった。ここから高齢者クラスターのレジャー旅行消費で重要なのは交通と飲食であること、高齢者はレジャー旅行に際して基本的な設備の快適性により重きを置くことがわかる。
レジャー旅行のサービス環境の創出は高齢者がレジャー旅行をする上で極めて重要なポイントだ。他のクラスターに比べ、高齢者は伝統的な対面式の問い合わせスタイルを好み、目的地の観光標識やインフォメーションセンターのサービスをより重視し、ピンポイント型の交通ニーズが高く、一部の都市で運行する観光バスや観光地直通路線が特に喜ばれる。高齢者は旅行の安全や保険についてよく理解しているが、危険な状況での救援や医療サポートの必要性を感知する力は弱いといえる。
(人民網日本語版)
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