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堤防巡回、人から水上無人機へ 水害対策能力の向上顕著
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-07-18 14:08:23 | 新華社 | 編集: 郭丹

 【新華社南昌7月18日】現在、長江は増水期に当たる。長江下流の北岸に位置する安徽省安慶市水害・干ばつ対策指揮部事務室では、調整科科長何学好氏(36)がパソコンを立ち上げると、モニタには水位や降水状況のリアルタイムデータが表示される。

 さかのぼること20年、1998年の夏、長江全域で広範囲の大洪水が発生した。水量は多く、影響範囲も広く、水はなかなか引かず、深刻な被害をもたらし、中国の水害対策史上非常に重要な記録が残された。

 当時、何さんの家は同市白沢湖郷三義村にあった。村の人たちは食糧や家電などの財産を山間部の親戚の家に運び、老人や女性、子どもたちを避難させた。当時16歳だった何さんは、村の青年たちと共に長江の大堤防を巡回し、水位を観察した。

 20年前の情景が時折頭をよぎる。ただ、降水や水位の自動測定システム構築が推進され、何さんと同僚たちは「水位観察」の基本作業のために毎回川に入る必要はなくなった。 現在、同市には雨量自動測定ポイントは600か所以上、水位観測所は210か所以上ある。

 何さんは、「今では、洪水カバーシステムが長江の主流と一級支流、大型ダム、重点中型ダム、湖川沿いのすべてをカバーしている。雨量や水位の自動測定システムによる科学的な水害緊急対策マニュアルや緊急対応システムに正確なデータによるサポートを提供している」と話した。

 20年来、中国の水害対策能力は全方位的に向上してきた。

 2010年6月、中国中部に位置する江西省で2番目に大きい河川、撫河の唱凱堤防が決壊し、避難できなかった人々が屋上で救援を待っていた。対策本部は速やかに衛星による遠隔測定技術を利用し、正確な洪水の被害状況を把握し、唱凱堤防の決壊前後の比較を行った。浸水地域の状況がはっきりと分かったため、対策本部は迅速かつ正確に救援人員を被害の深刻な地域に派遣し、速やかに被災者を救助することができた。

 鄱陽湖のほとりに位置する江西省南昌市南昌県は土地が低く、洪水災害が多発している。2年前、同県は無人機を使った増水状況のパトロールを開始した。大型マルチコプターと翼固定式ドローンを投入し、水害対策をサポートすることにより、より正確で効果的に実施できるようになった。

 江西省水害対策部門によると、同省水害干ばつ対策総本部は、都市部や田園部など異なるエリアに対応できる大型の排水設備5台や、遠隔操作できる水上救助ロボット7台など新型の水害対策装備を購入したという。

 同本部の秘書長で水利庁副庁長でもある徐衛明氏は、水上遠隔救助ロボットは「水上無人機」で、人々が川の中州に取り残されたり、水に落ちたりした場合、操作者がボートの形をした救助ロボットを水中に配備し、岸からタブレットやコントローラーを使い操作することができ、速やかに指定地点に到達後、1度に3~4人を救助することができると説明した。 新型の水害対策装備が使用されることは、緊急対策や救援の機動性や即時性を高められるうえ、事前に対策を講じ人命や財産の損失を減少させるのに役立つ。

 

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 さかのぼること20年、1998年の夏、長江全域で広範囲の大洪水が発生した。水量は多く、影響範囲も広く、水はなかなか引かず、深刻な被害をもたらし、中国の水害対策史上非常に重要な記録が残された。

 当時、何さんの家は同市白沢湖郷三義村にあった。村の人たちは食糧や家電などの財産を山間部の親戚の家に運び、老人や女性、子どもたちを避難させた。当時16歳だった何さんは、村の青年たちと共に長江の大堤防を巡回し、水位を観察した。

 20年前の情景が時折頭をよぎる。ただ、降水や水位の自動測定システム構築が推進され、何さんと同僚たちは「水位観察」の基本作業のために毎回川に入る必要はなくなった。 現在、同市には雨量自動測定ポイントは600か所以上、水位観測所は210か所以上ある。

 何さんは、「今では、洪水カバーシステムが長江の主流と一級支流、大型ダム、重点中型ダム、湖川沿いのすべてをカバーしている。雨量や水位の自動測定システムによる科学的な水害緊急対策マニュアルや緊急対応システムに正確なデータによるサポートを提供している」と話した。

 20年来、中国の水害対策能力は全方位的に向上してきた。

 2010年6月、中国中部に位置する江西省で2番目に大きい河川、撫河の唱凱堤防が決壊し、避難できなかった人々が屋上で救援を待っていた。対策本部は速やかに衛星による遠隔測定技術を利用し、正確な洪水の被害状況を把握し、唱凱堤防の決壊前後の比較を行った。浸水地域の状況がはっきりと分かったため、対策本部は迅速かつ正確に救援人員を被害の深刻な地域に派遣し、速やかに被災者を救助することができた。

 鄱陽湖のほとりに位置する江西省南昌市南昌県は土地が低く、洪水災害が多発している。2年前、同県は無人機を使った増水状況のパトロールを開始した。大型マルチコプターと翼固定式ドローンを投入し、水害対策をサポートすることにより、より正確で効果的に実施できるようになった。

 江西省水害対策部門によると、同省水害干ばつ対策総本部は、都市部や田園部など異なるエリアに対応できる大型の排水設備5台や、遠隔操作できる水上救助ロボット7台など新型の水害対策装備を購入したという。

 同本部の秘書長で水利庁副庁長でもある徐衛明氏は、水上遠隔救助ロボットは「水上無人機」で、人々が川の中州に取り残されたり、水に落ちたりした場合、操作者がボートの形をした救助ロボットを水中に配備し、岸からタブレットやコントローラーを使い操作することができ、速やかに指定地点に到達後、1度に3~4人を救助することができると説明した。 新型の水害対策装備が使用されることは、緊急対策や救援の機動性や即時性を高められるうえ、事前に対策を講じ人命や財産の損失を減少させるのに役立つ。

 

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