【新華社長春7月2日】厳格な立法手順を経て制定された「吉林省黒土地保護条例」が7月1日から中国吉林省で施行された。これは黒土地帯の保護に焦点を当てた中国初の地方法規にあたる。
吉林省人民代表大会常務委員会法制工作委員会の于平副主任は、「この取り組みは立法の空白を埋め、黒土地帯の保護を強化した」と主張し、「世界的に有名な黒土地帯が、吉林省で専門的な法律の保護を受けることになった」と述べた。
東北地域の黒土地帯は世界三大黒土地帯の一つで、有機物含有量が多く、肥沃な土壌に恵まれ、植物の生長に非常に適している。吉林省は東北・黒土地帯の中部核心的地域に位置し、同省全体の食糧生産量の80%が黒土地帯で生産されているという。
経済社会の発展に伴い、同地の黒土地帯では退化のペースが加速しており、土地が痩せ、土が硬くなるといった特徴が表れている。専門家は、「1940、1950年代に60~70センチあった東北地域の黒土層の平均厚さは現在、20~30センチになってしまい、さらには毎年0・3~1センチのペースで流失している」と指摘する。
しかも、有機物含有量も減少しており、食糧の生産や生態環境にとって脅威となっている。この難題を解決するため、吉林省は黒土地帯保護技術やモデルの推進を積極的に探り求め、複数の県・市・区で試行を行い、試行経験を普及させるほか、法律・法規の制定を模索し、黒土地帯保護の根拠となる法律法規を打ち出した。
それ以外にも、吉林省が発表したこの条例は、土地の性状に土壌の種類を加えた方式を採用して黒土地帯を区分し、耕地、草原、森林地、湿地の概念の制約を打破し、農業、水利、林業、牧畜業の産業の境界線を取り払った。于副主任は、「こうすることで保護業務をよりしっかりと統括し、黒土地帯保護の実行可能性を高めることができるだろう」と述べている。
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