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中国動画サイト「ビリビリ」米で上場申請 中国2次元の台頭
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-03-28 10:53:09 | 新華社 | 編集: 张一

  【新華社東京3月27日】視聴者が残したコメントが画面上を流れる「弾幕」や、アニメを始めとした2次元動画作品で有名になった中国の動画共有サイト「嗶哩嗶哩」(ビリビリ、Bステーションとも呼ばれる)はこのほど、米ニューヨーク証券取引所での上場に向け、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を申請した。上場で市場から4億ドル(1ドル=約106円)調達することを計画している。

  2009年に設立されたビリビリは当初、アニメファンが集まる小さなコミュニティだったが、2017年第4四半期の統計には、月間アクティブユーザー数は約7200万人に達した。うちおよそ82%が1990年以降に生まれた若者で、各アクティブユーザーの平均利用時間は1日当たり76分だった。

  ▽2次元の中国での台頭

  中国の調査会社アイリサーチ(iResearch、艾瑞咨詢)が発表したデータによると、2017年末時点の中国の2次元ユーザー数は3億1千万人、うちコアユーザーが8千万人に達し、規模はまだ拡大を続けている。2次元がもたらす「2次元経済」はすでに中国で急速な発展時期に入ったといえる。同社によると、2次元ユーザーは、アニメや漫画、ゲーム、ライトノベルなど2次元作品を日常的に好む人を指し、コアユーザーとは、さらに多くの時間やお金を2次元に費やす、2次元をこよなく愛する人を指すという。

  中国のベンチャーキャピタルはこの1年、2次元のベンチャー企業に対し、大規模な投資を次々行っている。例えば、モバイル端末を使って漫画を読むユーザー向けの「快看漫画」会社は2017年末、1億7700万ドルの投資を受け、アプリのユーザー数は1億3千万人を超え、千人ほどの契約作家を抱えるまでになった。

  ▽成長する分野は?

  2次元は中国で長い間、非常に細分化された市場の中の一つに過ぎず、業界の平均収入は比較的低く、優れたコンテンツのクリエーターも不足していた。だが、2次元に対する期待と投入資本の増加に伴い、クリエーターの数がまず増えていくと見込まれている。実際、多くの2次元サイトとアプリは現在、クリエーターに十分な補助金を提供している。

  次に、玩具、アパレル、コスプレアイテム、ゲーム、テーマパークなどの2次元の派生商品の市場潜在力も無視できない。また2次元のゲームは、投資の回収が速いため、先にブームを迎えるだろう。

  中国音数協遊戯工委(GPC)、ガンマデータ(CNG)と国際データ会社(IDC)が共同発表した「中国ゲーム産業報告書(2017年)」によると、2017年の2次元ゲームの市場規模は159億8千万元(1元=約17円)に達し、2016年の110億3千万元から45%増加した。

  ▽収益性の問題

  2次元ユーザーの多くは若く、2次元業界の展望は明るいが、短期的には、若者の可処分所得があまり高くないため、サイトやアプリで利益を出すのは難しい。例えばビリビリの純損失は、2015年が1億7600万元、2016年は2億5千万元だった。インターネット企業は、広告費や会費で利益を出すのが一般的だが、2次元はその独特なユーザー層によって、過剰の広告は快適さが損なわれ、ユーザー離れにつながるため、2次元企業は広告費で稼ぐ方向では控えめにしている。

  2次元ゲームは現在、ユーザーの快適さを損なわずに収益性を高められる傾向にある。さらに、2次元ユーザーの中核の若者が大人になり、可処分所得が年々増加することから、利益を上げるのは時間の問題だ。

  だが、もし2次元作品とその派生商品から利益を上げられない場合、中国の「2次元経済」が爆発的な真の発展を遂げることはできないだろう。(作者/胡学良)

 

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新華網日本語

中国動画サイト「ビリビリ」米で上場申請 中国2次元の台頭

新華網日本語 2018-03-28 10:53:09

  【新華社東京3月27日】視聴者が残したコメントが画面上を流れる「弾幕」や、アニメを始めとした2次元動画作品で有名になった中国の動画共有サイト「嗶哩嗶哩」(ビリビリ、Bステーションとも呼ばれる)はこのほど、米ニューヨーク証券取引所での上場に向け、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を申請した。上場で市場から4億ドル(1ドル=約106円)調達することを計画している。

  2009年に設立されたビリビリは当初、アニメファンが集まる小さなコミュニティだったが、2017年第4四半期の統計には、月間アクティブユーザー数は約7200万人に達した。うちおよそ82%が1990年以降に生まれた若者で、各アクティブユーザーの平均利用時間は1日当たり76分だった。

  ▽2次元の中国での台頭

  中国の調査会社アイリサーチ(iResearch、艾瑞咨詢)が発表したデータによると、2017年末時点の中国の2次元ユーザー数は3億1千万人、うちコアユーザーが8千万人に達し、規模はまだ拡大を続けている。2次元がもたらす「2次元経済」はすでに中国で急速な発展時期に入ったといえる。同社によると、2次元ユーザーは、アニメや漫画、ゲーム、ライトノベルなど2次元作品を日常的に好む人を指し、コアユーザーとは、さらに多くの時間やお金を2次元に費やす、2次元をこよなく愛する人を指すという。

  中国のベンチャーキャピタルはこの1年、2次元のベンチャー企業に対し、大規模な投資を次々行っている。例えば、モバイル端末を使って漫画を読むユーザー向けの「快看漫画」会社は2017年末、1億7700万ドルの投資を受け、アプリのユーザー数は1億3千万人を超え、千人ほどの契約作家を抱えるまでになった。

  ▽成長する分野は?

  2次元は中国で長い間、非常に細分化された市場の中の一つに過ぎず、業界の平均収入は比較的低く、優れたコンテンツのクリエーターも不足していた。だが、2次元に対する期待と投入資本の増加に伴い、クリエーターの数がまず増えていくと見込まれている。実際、多くの2次元サイトとアプリは現在、クリエーターに十分な補助金を提供している。

  次に、玩具、アパレル、コスプレアイテム、ゲーム、テーマパークなどの2次元の派生商品の市場潜在力も無視できない。また2次元のゲームは、投資の回収が速いため、先にブームを迎えるだろう。

  中国音数協遊戯工委(GPC)、ガンマデータ(CNG)と国際データ会社(IDC)が共同発表した「中国ゲーム産業報告書(2017年)」によると、2017年の2次元ゲームの市場規模は159億8千万元(1元=約17円)に達し、2016年の110億3千万元から45%増加した。

  ▽収益性の問題

  2次元ユーザーの多くは若く、2次元業界の展望は明るいが、短期的には、若者の可処分所得があまり高くないため、サイトやアプリで利益を出すのは難しい。例えばビリビリの純損失は、2015年が1億7600万元、2016年は2億5千万元だった。インターネット企業は、広告費や会費で利益を出すのが一般的だが、2次元はその独特なユーザー層によって、過剰の広告は快適さが損なわれ、ユーザー離れにつながるため、2次元企業は広告費で稼ぐ方向では控えめにしている。

  2次元ゲームは現在、ユーザーの快適さを損なわずに収益性を高められる傾向にある。さらに、2次元ユーザーの中核の若者が大人になり、可処分所得が年々増加することから、利益を上げるのは時間の問題だ。

  だが、もし2次元作品とその派生商品から利益を上げられない場合、中国の「2次元経済」が爆発的な真の発展を遂げることはできないだろう。(作者/胡学良)

 

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