:
中国人慰安婦テーマの映画「大寒」公開へ、研究者「正義追求の新たな始まり」
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-01-09 08:53:46 | 新華社 | 編集: 王珊寧

  【新華社太原1月8日】中国山西省初の慰安婦問題をテーマにした映画「大寒」(原題)がこのほど、地元の山西大学でプレミア上映された。同作は中国人慰安婦問題を長く調査してきた民間研究者、張双兵さんの記録と発言に基づき、日本の中国侵略戦争時に「慰安婦」として強制徴用された中国人女性の生涯を描いたもの。「被害者本人は亡くなっても、道理は消え去らない。この正義をずっと追い求めていく」と話す張さんは「この映画はそのための新たな始まりだ」と強調した。

  物語は生存者の証言を基に描かれており、中国侵略日本軍による「慰安婦の強制徴用」という歴史的事実が反映されている。山西省陽泉市盂県の農村で教師を務める張さんも本人役で出演、撮影現場では何度も涙を流した。張さんは30年以上前に調査を開始、慰安婦の被害状況を記録してきた。話を聞いた被害者の数は127人。それらの証言をまとめ、60人余りの悲惨な体験をつづった中国初の慰安婦生存者による証言集「炮楼里的女人」(原題)を出版した。

  高齢となった16人の被害者女性が原告となり実名で日本政府相手に訴訟を起こした際も、張さんは彼女たちに同行した。日本の最高裁判所は2007年に請求を棄却、敗訴が確定したが、張さんは今でも闘いを続けている。

  「被害者127人から思いを託された。彼女たちのために正義を取り戻すことが最大の使命」と張さん。「映画という形でこの歴史を永久に残せるのは、とても良いことだ」と語った。

  同作の監督、張躍平氏によると、張さんとの出会いは数年前。証言集を通じて慰安婦生存者の悲惨な体験の数々を知った。そして、30年以上も正義を追い求め奮闘を続ける勇気に感動し、尊敬の念を抱いた。これをきっかけに、張さんの活動に敬意を表し「なんとしても訴訟を続ける」という信念を後押しするため、同作の製作を決意した。

  「大寒」は中国の二十四節気中、最後の節気で、1年で最も寒い季節にあたる。だが、「大寒」を過ぎれば春の訪れはもうすぐだ。張監督は「映画のタイトルである『大寒』はこの映画を冷たいイメージにするためではなく、寒さを経て暖かい季節に向かう、つまり光と希望を表したかった」と述べた。 映画「大寒」は12日、中国各地の映画館で一斉公開される。(記者/魏飈 楊一帆)

 

  当社のコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。

推薦記事:

中国山東省抗日根拠地の歴史写真展が北京で開幕

南京大虐殺80周年 カナダ・オンタリオ州で記念活動開催へ

新華網日本語

中国人慰安婦テーマの映画「大寒」公開へ、研究者「正義追求の新たな始まり」

新華網日本語 2018-01-09 08:53:46

  【新華社太原1月8日】中国山西省初の慰安婦問題をテーマにした映画「大寒」(原題)がこのほど、地元の山西大学でプレミア上映された。同作は中国人慰安婦問題を長く調査してきた民間研究者、張双兵さんの記録と発言に基づき、日本の中国侵略戦争時に「慰安婦」として強制徴用された中国人女性の生涯を描いたもの。「被害者本人は亡くなっても、道理は消え去らない。この正義をずっと追い求めていく」と話す張さんは「この映画はそのための新たな始まりだ」と強調した。

  物語は生存者の証言を基に描かれており、中国侵略日本軍による「慰安婦の強制徴用」という歴史的事実が反映されている。山西省陽泉市盂県の農村で教師を務める張さんも本人役で出演、撮影現場では何度も涙を流した。張さんは30年以上前に調査を開始、慰安婦の被害状況を記録してきた。話を聞いた被害者の数は127人。それらの証言をまとめ、60人余りの悲惨な体験をつづった中国初の慰安婦生存者による証言集「炮楼里的女人」(原題)を出版した。

  高齢となった16人の被害者女性が原告となり実名で日本政府相手に訴訟を起こした際も、張さんは彼女たちに同行した。日本の最高裁判所は2007年に請求を棄却、敗訴が確定したが、張さんは今でも闘いを続けている。

  「被害者127人から思いを託された。彼女たちのために正義を取り戻すことが最大の使命」と張さん。「映画という形でこの歴史を永久に残せるのは、とても良いことだ」と語った。

  同作の監督、張躍平氏によると、張さんとの出会いは数年前。証言集を通じて慰安婦生存者の悲惨な体験の数々を知った。そして、30年以上も正義を追い求め奮闘を続ける勇気に感動し、尊敬の念を抱いた。これをきっかけに、張さんの活動に敬意を表し「なんとしても訴訟を続ける」という信念を後押しするため、同作の製作を決意した。

  「大寒」は中国の二十四節気中、最後の節気で、1年で最も寒い季節にあたる。だが、「大寒」を過ぎれば春の訪れはもうすぐだ。張監督は「映画のタイトルである『大寒』はこの映画を冷たいイメージにするためではなく、寒さを経て暖かい季節に向かう、つまり光と希望を表したかった」と述べた。 映画「大寒」は12日、中国各地の映画館で一斉公開される。(記者/魏飈 楊一帆)

 

  当社のコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。

推薦記事:

中国山東省抗日根拠地の歴史写真展が北京で開幕

南京大虐殺80周年 カナダ・オンタリオ州で記念活動開催へ

010020030360000000000000011100381368815541