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今年の高気温は例年に比べ、持続する日数が長く、影響が及ぶ都市の範囲が広く、局地的に猛烈な暑さが出現するという特徴をみせている。7月26日現在、杭州、西安、上海、合肥、南京の5都市は平均最高気温がいずれも40度を超え、最高気温が過去最高を記録したところも6省・直轄市に上った。
▽出前、宅配、ネット予約車がかまど都市の「3大人気サービス」
国家気候センターは中国主要都市の極端な最高気温の状況、最高気温を記録した日数など各要素を総合的に分析し、過去31年間の夏の暑さが厳しい10大都市をリストアップした。重慶、福州、杭州、南昌、長沙、武漢、西安、南京、合肥、南寧で、上位に並ぶ重慶、福州、杭州、南昌は「新4大かまど都市」と呼ばれるようになった。今年の夏には、これまでかまど都市でなかった上海の気温が145年ぶりの気象史に残る高気温を記録し、「新参かまど都市」になった。
出前プラットフォームの餓了■(口へんに馬)、生鮮食品宅配企業の本来生活、ネット配車予約プラットフォームの滴滴出行が提供したデータをみると、こうしたかまど都市では出前、宅配、ネット予約車などの衣食住交通のサービス需要が7月に入ってから急速に伸びており、特に上海では出前と宅配の勢いがものすごいという。
都市のホワイトカラーたちは「エアコンがあって生き延びた」などと言っているが、実際に仕事が忙しく冷気を浴びる環境の中で暮らす都会人たちは、新たな消費形態の力強い擁護者となっており、「出前配達のお兄さんのおかげで生き延びた」状態になっている。
餓了■のデータでは、6月に入ると、全国の昼の出前(11~13時)の注文数上位10都市では注文数が大幅に増加し、上位3都市は上海、北京、杭州だった。上海は6月の昼の出前注文数が前年同期比6.9%増加し、福州市は同17.7%も増加した。
生鮮食品の宅配事業も7月の高気温で爆発的な伸びを示し、本来生活のまとめたデータでは、世帯の食品購入者向けに打ち出した宅配セットの注文数が5月から目立って増加し、一月あたりの増加率が5月の40.43%増加から、7月は116.9%増加と飛躍した。中でも上海の注文数の増加率と増加量は全国トップで、2位は北京、3位は南京だった。
高気温はネット予約車のニーズも増大させている。滴滴出行のデータでは、北京の高気温日(7月11~13日)には1時間あたりの運行量が普段より目立って増加した。上海では7月に入ってから現在までの配車サービスを必要とした人の数は、6月に比べて13%増加した。
ネット予約者の人気ぶりに比べ、シェア自転車は高気温で商売あがったりの状況だ。艾瑞諮詢のデータでは、5月に比べ、6月にはシェア自転車の個人ユーザーの一日あたり平均利用回数はofoが同5%以上増加したのを除き、他社は軒並み減少した。
▽新かまど都市・上海 高気温消費の「お得意様」に
サービス業だけでなく、高気温の時には飲料、アイスクリーム、エアコン、扇風機、冷風扇、顔用の日焼け止めなど各種製品のニーズが急速に増加する。
京東のビッグデータをみると、17年の高気温都市における上記6品目の売上量ランキングでは、上海が1位で、以下、重慶、武漢、西安、杭州、南京、長沙、合肥、福州、南昌が並んだ。これらの都市だけでなく、ほとんどの都市で売り上げの増加率が100%を超えた。
特に目立つのは今年登場した「新かまど都市」の上海が、各種ランキングで首位に立ったことだ。一線都市や通販事業の配置の重点であり、消費水準が高いということを除いても、上海は今年の高気温で非常に大きな影響を受けているといえる。
京東プラットフォームの6品目に関するビッグデータのうち、顔用の日焼け止めの売り上げの伸びが最も速く、ほとんどの都市で増加率が200%を超え、中には300%を超えたところもあり、長沙市はなんと514%増加した。
アイスクリームの売り上げデータは西安と重慶の2都市のものをみただけで、その驚異的な伸びがうかがえる。西安はここ1ヶ月間の売り上げ数増加率が529%に達し、売上高は同1102%増加した。
上海で最大の冷飲料メーカーは現在、製造ラインを増設し、一日20時間連続で稼働させており、従業員は残業してアイスキャンディーやロックアイスを製造している。現在の一日あたり供給量は120トンで、閑散期に比べてほぼ2倍に増えたという。
地球の気候変動という大きな背景の中で、ますます多くの中国都市が「かまど」の仲間入りをしている。気象関係の資料によると、中国では1951年から2010年までに、全国の平均気温が1.38度上昇し、極端な高気温による事件が頻発し、高気温の日数が増加したことがわかる。
「焼けるような暑さ」の中、これまでも必要だったエアコン、扇風機、冷たい飲み物、日焼け止め用品など暑さを避けるための商品だけでなく、「かまど都市」にはインターネットを利用した出前、生鮮食品の宅配、ネット予約車といった新しい消費スタイルが登場した。
21世紀経済研究院は、「かまど経済の勢いはビジネスチャンスがどこにあるかを示している。各種の通販プラットフォームは一斉に出動して新たな経済の鉱脈を掘り当てようとしている。小売り百貨店などの実店舗にとっては、経営の構想を切り開き、サービスを刷新し、クーラーの効いた部屋から出たくないたくさんの『暑さ恐い病』の人々が売り場に来て消費するよう引き寄せるにはどうしたらよいかが、重大な課題となっている」と指摘する。
(人民網日本語版)
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