「参考消息網」の7月25日付記事によると、人口14億人が毎日生み出す大量のデータにより、中国は他国がうらやむほど人工知能(AI)産業の地盤を固めている。中国では7.3億人のネットユーザーがおり、彼らが生み出す「データの金鉱」が大きな貢献を果たしている。 香港紙「南華早報」ウェブサイトは7月23日、「アメリカを大きく上回る優位性を持つ中国のAI産業」と題する記事を掲載した。テンセント傘下の「微信(ウィチャット)」のグローバルユーザー数は8億人以上、アリババ傘下の「タオバオ」のユーザーは5億人、百度は中国首位の検索エンジンを持つ。
三大IT大手企業は、多くの他企業を従えながら、それぞれデータベースの拡充に努めている。彼らが自らのプラットフォームからユーザーのデータを大量に収集するにしたがい、莫大な数のユーザーたちは、AI産業の潜在的消費者になると共に、企業の技術革新にとって極めて重要なデータベースを提供している。 シンガポールの投資会社であるテマセク ホールディングス傘下の祥峰投資公司のパートナーである夏志金氏は、「中国のデータベースは、その数と質において競合企業をはるかに上回る。中国人がスマホに過度に依存していることから、ユーザーの貴重なデータを収集することができるからだ」と述べる。
たとえば、中国で流行しているシェア自転車サービスは、安価な交通手段を提供するものだ。ユーザーが自転車を借りるとき、企業は自転車に搭載されたGPSでユーザーの行程を把握する。企業が収集したそれらデータは、通勤習慣やレンタル時間、果てはユーザーの信用度まで、リアルなデータを得ることができる。 記事によると、ますます重要度の増すビッグデータに対し、政府も無視できなくなっているという。中国が7月20日に発表した発展計画によると、2030年までにAI分野を世界トップクラスに成長させ、中国大陸で1兆元を超える産業規模にするとしている。
世界第2位の経済大国である中国は、これまでもAI産業に注目してきた。現在、ある面ではアメリカをもしのぐ。たとえば、2010年~2014年、中国特許局が得たAI関連の特許申請数は累計で8410件だった。2934件だった2005年~2009年の申請数の2.9倍である。数量から見れば、中国の特許申請数は依然としてアメリカに及ばない。しかし増加率でははるかに上回っている。また、中国の研究者が発表したディープラーニングに関する論文数はアメリカを上回っている。
中国のAI産業の急速な発展は、データ急増のおかげだと言える。AI技術には多くのデータが必要だ。使えるデータが多ければ多いほどアルゴリズムの数も増えるからだ。記事によると、それと同時に、膨大な数のデータベースの価値を中国は十分に意識しており、データベースの保護に努めているという。6月に実施された最新ネット安全法では、中国国民の「個人情報」と「重要データ」は必ず中国のサーバーに保存することを命じている。
記事はまた、「ネットの安全に関する規定は、中国のIT企業にとっては“福音”であることは事実が証明している」と報じる。これにより、中国国内のAI企業は独自の優位性を作り出しているのだ。
(チャイナネット)
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