中国の「無人コンビニ」が他の一般のコンビニのように広く見られるようになるという。 無人コンビニを運営するBingoBox(繽果盒子)の店頭では、カップめん、ビール、さらに中国伝統の味である鴨脖子(ヤー・ボー・ズー、鴨の首を燻製にした食物)などが並んでいるが、店員の姿は見当たらない。英ファイナンシャル・タイムズが23日付けで伝えた。
中国の小売業界が無人コンビニの建設を競い始めている。すでに10店舗余りが営業を開始。さらに数百の店舗が計画中という。アマゾンの現在開発中だが、一般にはまだ公表されていない。 BingoBoxの入り口のドアはスマホアプリで開けることができる。店内の通路は1本だけで、スーパーと駐車場につながっている。精算はスマホで行う。実名登録と監視カメラで窃盗行為を防止する。
中国では労働力コストが上昇を続けており、製造現場ではロボットが生産ラインに投入されている。これと同様に中国の小売業でも自動化が進行中。 BingoBoxの創業者・陳小林は「人件費が高い。当社ではコンビニの建設コストが10万人民元で、毎月の運営費は2500元だ。一般のコンビニより利益率が高い」と話す。中国のスーパーの人件費は毎月の経費の10%を占めるとみられている。
無人コンビニの成長性の高さに注目が集まる中、多くの大手企業が続々と参入を始めている。アリババは無人決済のコンビニ店舗の試運営を行っている。顧客が店を出ると同時に手にした商品が決済されるしくみである。中国最大の飲料メーカーのひとつであるアハハは先月、あるハイテク企業との間で無人店舗決済システム10万セットの購入契約を結んだという。
陳小林は「無人店舗を中国で展開できるのはモバイル決済が一般化していることと政府がSNSユーザーに実名制を要求していることの恩恵による。これは窃盗防止と貴重なユーザーデータの収集にプラスになる。これは高速道路ができたと同じようなものだ」と話す。「今後、顔認証技術が実用化されればもっとプラスになる」という。
しかしすべてが順風満帆というわけではない。先月、上海のある無人コンビニが店を閉じた。原因は高温が続き店内のスナック類が変質したためである。店舗はエアコン設備などにも予算をさく必要があるという。
(チャイナネット)
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