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日本がAIIB加盟を示唆した背後に、どんな意図があるのか
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2017-05-19 16:37:34 | 新華網 | 編集: 王珊寧

 新華網北京5月19日(記者/沈紅輝、劉秀玲)日本政府のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の加盟に関する最近の動向が注目されている。日本が実際にAIIBに加盟するならば、AIIBの発展にとっても、中日関係の改善にとっても、大きな朗報になることは間違いない。

 わずか数日間に、日本政府内でこのシグナルに対して矛盾した声が上がり、安倍政権の「突然、豹変する態度」に疑いの目が向けられている。AIIB加盟を示唆した背後に、日本にどんな意図があるのだろうか。

 

【安倍首相は発言に余地を残す】

 15日、北京で「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに出席した日本の自民党の二階俊博幹事長はメディアに対し、日本はアジアインフラ投資銀行に早急に加盟すべきだと指摘し、「十分に心構えをして、他国に遅れてはいけない」と語った。

 日本の安倍首相は同日、取材を受けた際に、AIIB加入について「AIIBに対する疑問が解消されれば前向きに考える」と発言した。

 重要な地位にある2人の従来とは異なる相次ぐ発言に、多数の中日メディアは日本はついにAIIBに加盟する意向を示したと分析した。一方で、日本政府の多数の高官は翌日にこの件に言及し、日本側のAIIBに対する姿勢に変化はないと強調した。

 16日、麻生太郎財務大臣は閣議後の記者会見で、「日本(AIIBに対する立場)は何も変わっていない」と述べ、日本に現段階で加入の意向はないと再び言明した。同日、菅義偉官房長官も日本は依然として静観していると強調した。

 事実上、安倍首相の15日の発言を細かく読み取ると、一部のメディアが報道で過剰な分析を行ったことがわかる。安倍首相の発言はあやふやな表現で、十分な余地を残したもので、AIIB加盟について肯定も否定もしていない。

 

 【3つの要因が転換を促す】

 これまでと比べて、日本政府のAIIBに対する姿勢は少し緊張が解けてきた。

 その原因を探ると、次のような見解もある。この動きは戦術的な妥協に過ぎない。今年は中日国交正常化45周年で、二階氏という親中派の人物が登場したことで、中国との関係を緩和するに向かうと見られる。

 また、次のような見方もある。安倍政権がAIIB加盟について発信した混乱した情報は、入念に仕組まれた「二人芝居」だ。二階氏が放ったポジティブな情報は、党内の対中関係の改善を求める議員らの要望に応えた。これと同時に、麻生財務大臣らが火消し役になり、党内の対中強硬派の立場に配慮するとともに、これを利用してて交渉を有利に進めたいと考えている。

 さらに、安倍政権はAIIBで生まれる巨額の経済効果を無視できない。創設から半年間に、AIIBの加盟国は77カ国に上り、日本が主導するアジア開発銀行を超え、主要7カ国グループ(G7)で加盟していないのは、日本と米国だけだ。安倍政権は中国の発展のボーナスを獲得する機会を決して逃したくないだろう。

   

  【「米国の要素」がカギを握る】

  日本政府の動きを柔軟にする最も重要な外的要因として、米国の対中政策の調整が挙げられる。トランプ政権の発足後、米国はアジア太平洋政策をある程度、調整するとともに、 代表団を送り、「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに出席し、日本の世論の高い注目を集めた。

  『日本経済新聞』は17日、『米中の動きをにらみ、中日関係の改善を』と題した社説を掲載した。中国と米国は多くの分野で協力を展開し、トランプ政権の発想と行動は従来の米政権とは大きく異なる。それだけに日本は米国の同盟国としても、十分な情報収集のうえ、必要に応じて対外政策を調整すべきだ。

  この社説はAIIB問題について、次のように指摘している。アジアのインフラ整備の建設への支援はADB、AIIBが共有する目的である。けん制し合うだけではアジアの国々が困惑してしまう。

  日本の富士通総研経済研究所の金堅敏主任研究員は、次のように指摘する。米国が近年、発信したシグナルは日本の姿勢に影響する重要な要因になっている。米国の姿勢が変わるなら、「日本も遅れをとるわけにはいかず、両方の手で準備しているのだ。」

   

  【最終的に加盟する可能性はあるのか】

  日本は実際にAIIBに加盟するのだろうか。最終的な答えは2つの要因によって決まる。一つは米国、もう一つは中国の発展に対する心理状態だ。

  米国は日本がAIIBに加盟するかどうかを決定付ける最も直接的な要因だ。日本の日中関係研究所の凌星光所長は新華社記者に次のように述べた。日本は長年にわたり日米同盟を外交基盤とし、米国に追随してきた。米国がAIIBに加盟しなければ、米国の顔色を見て行動することが習慣化している日本が単独で加盟することはないだろう。しかし、米国が加盟すれば、日本は必ず歩調を合わせる。

  次に、日本が中国の発展に対する屈折した心理状態を切り換えることができるかどうかは最も根本的な要因になる。昨年の「両会」期間に、中国の王毅外交部長は「中日関係にとって、災いの根源は日本の執政者の中国への認識に誤りがあることだ。中国の発展に対し、果たして中国を友人にするのか、敵にするのか、パートナーにするのか、ライバルにするのか。日方はこの問題を真剣に思考し、この問題について明確な考えを持つべきだ。」と指摘した。

 

(新華社より)

 

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日本がAIIB加盟を示唆した背後に、どんな意図があるのか

新華網日本語 2017-05-19 16:37:34

 新華網北京5月19日(記者/沈紅輝、劉秀玲)日本政府のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の加盟に関する最近の動向が注目されている。日本が実際にAIIBに加盟するならば、AIIBの発展にとっても、中日関係の改善にとっても、大きな朗報になることは間違いない。

 わずか数日間に、日本政府内でこのシグナルに対して矛盾した声が上がり、安倍政権の「突然、豹変する態度」に疑いの目が向けられている。AIIB加盟を示唆した背後に、日本にどんな意図があるのだろうか。

 

【安倍首相は発言に余地を残す】

 15日、北京で「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに出席した日本の自民党の二階俊博幹事長はメディアに対し、日本はアジアインフラ投資銀行に早急に加盟すべきだと指摘し、「十分に心構えをして、他国に遅れてはいけない」と語った。

 日本の安倍首相は同日、取材を受けた際に、AIIB加入について「AIIBに対する疑問が解消されれば前向きに考える」と発言した。

 重要な地位にある2人の従来とは異なる相次ぐ発言に、多数の中日メディアは日本はついにAIIBに加盟する意向を示したと分析した。一方で、日本政府の多数の高官は翌日にこの件に言及し、日本側のAIIBに対する姿勢に変化はないと強調した。

 16日、麻生太郎財務大臣は閣議後の記者会見で、「日本(AIIBに対する立場)は何も変わっていない」と述べ、日本に現段階で加入の意向はないと再び言明した。同日、菅義偉官房長官も日本は依然として静観していると強調した。

 事実上、安倍首相の15日の発言を細かく読み取ると、一部のメディアが報道で過剰な分析を行ったことがわかる。安倍首相の発言はあやふやな表現で、十分な余地を残したもので、AIIB加盟について肯定も否定もしていない。

 

 【3つの要因が転換を促す】

 これまでと比べて、日本政府のAIIBに対する姿勢は少し緊張が解けてきた。

 その原因を探ると、次のような見解もある。この動きは戦術的な妥協に過ぎない。今年は中日国交正常化45周年で、二階氏という親中派の人物が登場したことで、中国との関係を緩和するに向かうと見られる。

 また、次のような見方もある。安倍政権がAIIB加盟について発信した混乱した情報は、入念に仕組まれた「二人芝居」だ。二階氏が放ったポジティブな情報は、党内の対中関係の改善を求める議員らの要望に応えた。これと同時に、麻生財務大臣らが火消し役になり、党内の対中強硬派の立場に配慮するとともに、これを利用してて交渉を有利に進めたいと考えている。

 さらに、安倍政権はAIIBで生まれる巨額の経済効果を無視できない。創設から半年間に、AIIBの加盟国は77カ国に上り、日本が主導するアジア開発銀行を超え、主要7カ国グループ(G7)で加盟していないのは、日本と米国だけだ。安倍政権は中国の発展のボーナスを獲得する機会を決して逃したくないだろう。

   

  【「米国の要素」がカギを握る】

  日本政府の動きを柔軟にする最も重要な外的要因として、米国の対中政策の調整が挙げられる。トランプ政権の発足後、米国はアジア太平洋政策をある程度、調整するとともに、 代表団を送り、「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに出席し、日本の世論の高い注目を集めた。

  『日本経済新聞』は17日、『米中の動きをにらみ、中日関係の改善を』と題した社説を掲載した。中国と米国は多くの分野で協力を展開し、トランプ政権の発想と行動は従来の米政権とは大きく異なる。それだけに日本は米国の同盟国としても、十分な情報収集のうえ、必要に応じて対外政策を調整すべきだ。

  この社説はAIIB問題について、次のように指摘している。アジアのインフラ整備の建設への支援はADB、AIIBが共有する目的である。けん制し合うだけではアジアの国々が困惑してしまう。

  日本の富士通総研経済研究所の金堅敏主任研究員は、次のように指摘する。米国が近年、発信したシグナルは日本の姿勢に影響する重要な要因になっている。米国の姿勢が変わるなら、「日本も遅れをとるわけにはいかず、両方の手で準備しているのだ。」

   

  【最終的に加盟する可能性はあるのか】

  日本は実際にAIIBに加盟するのだろうか。最終的な答えは2つの要因によって決まる。一つは米国、もう一つは中国の発展に対する心理状態だ。

  米国は日本がAIIBに加盟するかどうかを決定付ける最も直接的な要因だ。日本の日中関係研究所の凌星光所長は新華社記者に次のように述べた。日本は長年にわたり日米同盟を外交基盤とし、米国に追随してきた。米国がAIIBに加盟しなければ、米国の顔色を見て行動することが習慣化している日本が単独で加盟することはないだろう。しかし、米国が加盟すれば、日本は必ず歩調を合わせる。

  次に、日本が中国の発展に対する屈折した心理状態を切り換えることができるかどうかは最も根本的な要因になる。昨年の「両会」期間に、中国の王毅外交部長は「中日関係にとって、災いの根源は日本の執政者の中国への認識に誤りがあることだ。中国の発展に対し、果たして中国を友人にするのか、敵にするのか、パートナーにするのか、ライバルにするのか。日方はこの問題を真剣に思考し、この問題について明確な考えを持つべきだ。」と指摘した。

 

(新華社より)

 

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