:
日本、韓国にならって「THAAD」導入?そのねらいは何か
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2017-02-28 08:53:26 | チャイナネット | 編集: 王珊寧

ミサイル防衛システム「THAAD」の配備問題は韓国の与党から野党にいたるまで混乱を与えている。与野党の争いはおさまらず、民衆は繰り返し大規模集会を開き、配備の决定の撤回を求めている。韓国が「THAAD」による混乱にさらされているちょうどその時、日本は大急ぎで、米軍の「THAAD」ミサイル防衛システムの配備を含めた弾道ミサイル防衛計画を検討する姿勢を明らかにしている。

 

導入の企ては数年前から 配備は「時間の問題」

日本『産経新聞』の報道によると、自民党はすでに、「弾道ミサイル防衛に関する検討チーム」を設立しており、今年春までに初期的な結論を出し、2018年度予算への要求に反映させる計画だ。

日本が「THAAD」導入に向けた大々的なキャンペーンを行うのはこれが初めてではない。日本は実際には、このミサイルシステムに対する興味を長い間持ち続けて来た。

日本メディアによると、「THAAD」は米国本土で2008年に使用開始されたが、そのわずか一年後、防衛省は、米国からの「THAAD」調達を検討し、同システムの技術性能と運用コストの研究に着手した。2014年、日本は、「THAAD」システムと同型のXバンドレーダーを2カ所に配備した。2016年、防衛省はすでに、最先端の地上配備型ミサイル防衛システム「THAAD」の導入の研究を始めていた。

日本国内では、日本が「THAAD」を導入するとしても、2018年度までの5カ年の中期防衛力整備計画が終わってからになるとの見方が広がっていた。だがNHKテレビの報道によると、韓国の「THAAD」配備問題で中韓関係が緊張している中、日本防衛省は「THAAD」を導入するかについて早期に検討することを決定した。報道によると、防衛省のこの决定は、「THAAD」導入の時間が2018年以前に早まる可能性があることを意味している。

中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂耀東室長は、日本による「THAAD」配備は「時間の問題」にすぎないと指摘している。

 

安全は隠れみの 軍事力の強化が目的

朝鮮が2月12日に陸上配備型機動式固体燃料ミサイル「北極星2」の発射実験を行ったのを受け、日本自民党は「チャンスをつかめ」とばかり、「THAAD」導入に向けた論陣を張っている。

ますます激化する朝鮮の「ミサイルの脅威」に対応するためというのが、日本がこれまで使ってきた理由だ。呂耀東室長は、朝鮮への対処は口実にすぎず、主要なターゲットではないと指摘する。軍事技術の角度から言えば、日本が「THAAD」システムの導入を検討しているのは、国内に現在ある二段階MDシステムの穴をふさぎ、より完全な三段階MDシステムを構築し、周辺国家に対する抑止力を強化するためだ。

中国現代国際関係研究院日本研究所の霍建崗・副研究員も、「THAAD」の導入は、日本の軍備をより完全なものとし、日本を軍事大国へとさらに近付けるものとなると指摘している。

 

形を変えた「みかじめ料」?

軍事専門家の尹卓氏は、安倍政権が「THAAD」導入を提案すれば、米国が販売を考慮する可能性は高いと語る。米国は現在、日本に「みかじめ料」を高めるようにと日本に迫っているが、日本にとっては難しく、米国からより多くの武器装備を調達するという形でそれに応えるしかない。

だが日本は、金を払えば何でもできるというわけではない。システムの操作という問題では、日本と米国には意見の相違が存在する可能性がある。日本は、米国が「魚」をくれるだけでなく、「釣り方」まで教えてくれることを望んでいるが、この都合の良い計算は実現するとは限らない。

「THAAD」は、最先端の終末高高度防衛ミサイルであり、「PAC2」や「PAC3」よりも技術のウェイトははるかに高い。その終末段階の迎撃弾頭も非常に高度なもので、米国が日本にわたすことを望まない多くの核心技術が含まれている。

まもなく韓国に配備される「THAAD」システムは完全に米軍が操作し、韓国は場所だけを提供するとされる。米国はこれまでも、技術分野では日本に対して一定の保留の立場を取っており、「THAAD」の日本配備後、米国が技術を完全に開放するかはまだわからない。

「THAAD」導入は現在、検討の段階にとどまっているが、米国と日本がその調達価格について長期にわたって交渉を続けなければならなくなる可能性もある。だが日本が「THAAD」を配備することになれば、東北アジアの一部の国の利益に脅威を与え、中でも中国とロシアがまずそのあおりを食うことになる。

外交学院の周永生教授によると、日本の「THAAD」配備は、中国とロシアの正当な安全利益と戦略利益を損なうものとなり、中国とロシアは、自身の防衛能力の強化と戦略水準の向上からこれに対抗する必要がある。

 

(チャイナネット)

 

関連記事:

朝鮮半島の核問題に対する立場は明確 中国外交部

中国外交部、朝鮮と米国を含む関係側が対話とコミュニケーションを強めることを支持すると表し

新華網日本語

日本、韓国にならって「THAAD」導入?そのねらいは何か

新華網日本語 2017-02-28 08:53:26

ミサイル防衛システム「THAAD」の配備問題は韓国の与党から野党にいたるまで混乱を与えている。与野党の争いはおさまらず、民衆は繰り返し大規模集会を開き、配備の决定の撤回を求めている。韓国が「THAAD」による混乱にさらされているちょうどその時、日本は大急ぎで、米軍の「THAAD」ミサイル防衛システムの配備を含めた弾道ミサイル防衛計画を検討する姿勢を明らかにしている。

 

導入の企ては数年前から 配備は「時間の問題」

日本『産経新聞』の報道によると、自民党はすでに、「弾道ミサイル防衛に関する検討チーム」を設立しており、今年春までに初期的な結論を出し、2018年度予算への要求に反映させる計画だ。

日本が「THAAD」導入に向けた大々的なキャンペーンを行うのはこれが初めてではない。日本は実際には、このミサイルシステムに対する興味を長い間持ち続けて来た。

日本メディアによると、「THAAD」は米国本土で2008年に使用開始されたが、そのわずか一年後、防衛省は、米国からの「THAAD」調達を検討し、同システムの技術性能と運用コストの研究に着手した。2014年、日本は、「THAAD」システムと同型のXバンドレーダーを2カ所に配備した。2016年、防衛省はすでに、最先端の地上配備型ミサイル防衛システム「THAAD」の導入の研究を始めていた。

日本国内では、日本が「THAAD」を導入するとしても、2018年度までの5カ年の中期防衛力整備計画が終わってからになるとの見方が広がっていた。だがNHKテレビの報道によると、韓国の「THAAD」配備問題で中韓関係が緊張している中、日本防衛省は「THAAD」を導入するかについて早期に検討することを決定した。報道によると、防衛省のこの决定は、「THAAD」導入の時間が2018年以前に早まる可能性があることを意味している。

中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂耀東室長は、日本による「THAAD」配備は「時間の問題」にすぎないと指摘している。

 

安全は隠れみの 軍事力の強化が目的

朝鮮が2月12日に陸上配備型機動式固体燃料ミサイル「北極星2」の発射実験を行ったのを受け、日本自民党は「チャンスをつかめ」とばかり、「THAAD」導入に向けた論陣を張っている。

ますます激化する朝鮮の「ミサイルの脅威」に対応するためというのが、日本がこれまで使ってきた理由だ。呂耀東室長は、朝鮮への対処は口実にすぎず、主要なターゲットではないと指摘する。軍事技術の角度から言えば、日本が「THAAD」システムの導入を検討しているのは、国内に現在ある二段階MDシステムの穴をふさぎ、より完全な三段階MDシステムを構築し、周辺国家に対する抑止力を強化するためだ。

中国現代国際関係研究院日本研究所の霍建崗・副研究員も、「THAAD」の導入は、日本の軍備をより完全なものとし、日本を軍事大国へとさらに近付けるものとなると指摘している。

 

形を変えた「みかじめ料」?

軍事専門家の尹卓氏は、安倍政権が「THAAD」導入を提案すれば、米国が販売を考慮する可能性は高いと語る。米国は現在、日本に「みかじめ料」を高めるようにと日本に迫っているが、日本にとっては難しく、米国からより多くの武器装備を調達するという形でそれに応えるしかない。

だが日本は、金を払えば何でもできるというわけではない。システムの操作という問題では、日本と米国には意見の相違が存在する可能性がある。日本は、米国が「魚」をくれるだけでなく、「釣り方」まで教えてくれることを望んでいるが、この都合の良い計算は実現するとは限らない。

「THAAD」は、最先端の終末高高度防衛ミサイルであり、「PAC2」や「PAC3」よりも技術のウェイトははるかに高い。その終末段階の迎撃弾頭も非常に高度なもので、米国が日本にわたすことを望まない多くの核心技術が含まれている。

まもなく韓国に配備される「THAAD」システムは完全に米軍が操作し、韓国は場所だけを提供するとされる。米国はこれまでも、技術分野では日本に対して一定の保留の立場を取っており、「THAAD」の日本配備後、米国が技術を完全に開放するかはまだわからない。

「THAAD」導入は現在、検討の段階にとどまっているが、米国と日本がその調達価格について長期にわたって交渉を続けなければならなくなる可能性もある。だが日本が「THAAD」を配備することになれば、東北アジアの一部の国の利益に脅威を与え、中でも中国とロシアがまずそのあおりを食うことになる。

外交学院の周永生教授によると、日本の「THAAD」配備は、中国とロシアの正当な安全利益と戦略利益を損なうものとなり、中国とロシアは、自身の防衛能力の強化と戦略水準の向上からこれに対抗する必要がある。

 

(チャイナネット)

 

関連記事:

朝鮮半島の核問題に対する立場は明確 中国外交部

中国外交部、朝鮮と米国を含む関係側が対話とコミュニケーションを強めることを支持すると表し

010020030360000000000000011100381360905481