廃棄作業はいつ完了するのか
(写真はネットより)
放射能漏れ事故の後処理で、日本政府と東京電力の最大の難題は、福島第一原発1号機から3号機のメルトダウンした後の溶融スラグをいかにして取り出すかということだ。東京電力は当初の計画で、約40年をかけて原発の廃棄作業を完了し、年内に溶融スラグの取出方法を定めるとしていた。新しく確認された2号機内の放射線量が前回の予想を大幅に上回ったため、東京電力はより高性能のロボットを投入して調査を行うしかなく、廃棄作業に影響が生じると見られる。
特に、溶融スラグを取り出す前に、地震、津波などの自然災害によって原発事故が再発するリスクも否定できない。昨年11月22日、福島県近海で発生した震度7以上の地震で、第一原発付近で小規模の津波が起こったが、幸いにも原発への影響はなかった。今後、福島付近で廃棄作業に影響する強度の地震が発生するかどうかは予測できず、東京電力は時間との戦いになると言える。
また、汚染水処理も非常に面倒だ。一方で、東京電力は発電機内部に絶えず淡水を注入して冷却する必要がある。もう一方で、原発西側は高所で、1日約200トンの地下水が西から東へと原子炉のある施設の地下に流入して放射性汚染水に変わり、東京電力は毎日、大量の汚染水を抽出して保管しなければならない。東京電力は地下水の流入を防止し、汚染水の増加を抑えるため、原発1号機から4号機周辺の地下に凍土遮水壁を設置したが、膨大な経費を要する遮水壁は終始、完全凍結が不可能で、長期的な効果は期待できない。
福島第一原発内では現在、汚染水を保存する巨大な貯水タンクが約千個配置されている。タンク1個に汚染水約1,000トンを貯蔵できる。汚染水中の大部分の放射性物質は排除できたが、抽出し難いトリチウムも含まれる。2015年9月、東京電力は初めて少量の浄化した汚染水を海中に流出させた。東京電力は今後も継続して段階的に浄化後の汚染水を海中に流す方針だが、当地の漁民の同意を得る必要があり、全世界に向けてより合理的な説明を行うことも求められる。福島核事故による太平洋の汚染問題についても沿岸諸国がより多くの追跡研究を展開する必要がある。
(新華社より)
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