中国ウィンタースポーツのアスリートたちは19日から開幕する第8回冬季アジア札幌大会に参加するため、17日に日本の札幌に向けて出発する。人民日報が伝えた。
同大会で中国代表チームは5競技、11種別、64種目に参加する予定。今回のアジア冬季競技大会を2018年の平昌冬季オリンピックの前哨戦に位置付け準備を進めると共に、2022年の北京冬季オリンピックのためにチームを鍛え、経験を積むことを目指す。過去の成績を見ても、アジア地域における中国チームの主なライバルは今大会のホスト国である日本のほか、韓国とカザフスタンが挙げられる。予想外の展開が生じない限り、今大会でもこの4ヶ国の代表チームがメダル争いのトップの位置をキープし続けると見られている。
氷上競技
ここ数回の冬季オリンピックの成績を見ると、中国チームはショートトラックスピードスケート、フィギュアスケート、カーリングなどの種目を含む氷上競技で主に優位に立っており、フリースタイルスキーエアリアルやスノーボードハーフパイプといったスキー競技においてもメダルや金メダルを獲得する実力を備えつつある。アジア冬季競技大会にはフリースタイルスキーエアリアルの種目は設けられていないものの、その他の種目でも中国チームは金メダルを狙える可能性が非常に高い。
また今大会のショートトラックスピードスケートにおいては、依然として中国と韓国のトップ争いがメインになると見られている。ショートトラックスピードスケート中国代表チームの李■(■は王へんに炎)ヘッドコーチは、「今大会において中国チームのライバルは韓国だけでなく、ここ2年ほどでめきめきと力をつけてきている日本とカザフスタンもそのライバルとなりうる」と控えめに指摘している。
今大会、范可新選手率いるショートトラックスピードスケートの女子代表チームは他国よりも優位に立っていると見られているが、中長距離のロングトラック種目においては韓国チームとの実力差が大きい。また武大靖選手や韓天宇選手が率いるショートトラック男子チームも各種目における実力は備えているものの、絶対的な優勢を占めるまでに至っていない。韓国チームとの戦いにおいて、代表選手たちが本来の力をどれほど出し切れるかは、試合での実力発揮と戦術、そして少々の運も必要だろう。
フィギュアスケートでは中国チームはペアスケーティングの小雨・張昊組と彭程・金楊組が現在素晴らしいコンディションにあり、アジア地域には特に目立ったライバルもいないことから、ペアスケーティングでは金メダルを獲得できる可能性が高い。また男子シングルの金博洋選手もビッグニュースをもたらす可能性がある。なぜなら今大会にはオリンピック金メダリストで日本の実力ナンバーワンの羽生結弦選手が出場しないからだ。アジアで注目されている金博洋選手と日本の新星・宇野昌磨選手の拮抗した戦いが見どころになると思われる。
ソチ冬季オリンピックの金メダリスト・張虹選手とベテランの于静選手が率いる中国スピードスケートチームも今大会に出場を予定している。両選手は試合経験が豊富な上、金メダルを獲得する能力も備えているため、今大会でも期待が高まる。また韓国の名将で冬季オリンピック二連覇を果たした金メダリストの李相花選手も今大会出場するため、金メダル獲得の有力候補の一人になるとみられている。
スキー競技
今大会ではスキー競技が11種別とその半分以上を占めている。しかし残念なことに、スキー競技における中国チームの金メダル獲得の機会は多くない。高志丹国家体育総局副局長は、「その実力差を知り、欠点を探し出し、対策を見つけることが中国代表チーム、特にスキー競技チームが今回札幌に赴く上で重要な任務となる」としている。
特に今大会にはフリースタイルスキーエアリアルが競技種目に含まれていないため、中国のスキー競技チームにとって、優勢を誇ってきた種目はスノーボードハーフパイプのみとなっている。今大会で中国女子チームは蔡雪桐選手と劉佳宇選手という世界選手権チャンピオン2人を参加させ、アジア冬季競技大会チャンピオンを共に目指す。また男子チームでは張義威選手が高い実力を備えているものの、日本チームの選手たちと比べると同種目における実力は拮抗しており、また日本チームはホームグランドであるという利点もあるため、ともに金メダル獲得の有力候補になると見られている。
バイアスロンとクロスカントリースキーはスキー競技における2大競技だが、アジア各国と世界強豪国との差は大きい。アジア地域のバイアスロンにおいて、中国チームはある程度の実力を備えており、過去にはアジア冬季競技大会で金メダルを獲得したことすらある。しかしながら、ここ2年ほど、アジア地域のスキー競技全体の実力が向上するにつれて、各国の同競技における競争も熾烈を増している。またクロスカントリースキーは中国チームにとってやや実力の劣る競技と言えるだろう。身体能力とトレーニング条件の限界から、長年その成績は振るわなかった。しかし2022年の北京冬季オリンピック開催が決定したことが新たな転機となり、中国チームはフィンランドからヴィルタネン氏を外国人コーチとして招き、トレーニングにおける欠点などを改善しつつある。同コーチをチームに迎えたことで一連の変化が生じており、今大会では同種目において中国チームに大金星がもたらされる可能性もあるかもしれない。
アルペンスキー、スキージャンプ、スノーボードパラレル大回転、フリースタイルスキーモーグルなどのスキー競技においては中国チームの選手たちはそれほど目立った成績を収めていないものの、試合に参加することでチームを鍛え、その実力差と改善に向けた方向性をさぐることになるだろう。
(人民網日本語版)
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