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専門家「米日のミサイル防衛協力強化は戦略的安定を損なう」
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2017-02-11 15:07:41 | 人民網日本語版 | 編集: 薛天依

   日本防衛省防衛装備庁は4日、海上自衛隊と米海軍が同日ハワイ沖でSM-3ブロック2Aの実弾迎撃実験に初めて成功したと発表した。今回の迎撃実験はマティス米国防長官の訪日期間、日本の安倍晋三首相の訪米前に行われたことで、ことのほか注目された。(文:葛立徳国防大学教授。解放軍報掲載)

   ■日本のミサイル防衛能力を大幅に向上

   以前の米国単独開発の迎撃ミサイルと異なり、SM-3ブロック2Aは米日の共同開発だ。2015年6月に初めて陸上実験を行い、2017年に開発を終え、日本は2021年度から海上自衛隊に配備する計画だ。

   現在海上自衛隊の配備するSM-3ブロック1Aと比べ、2A型ミサイルは射程も射高も大幅に向上している。中長距離ミサイル、さらには大陸間弾道ミサイルを防ぎ、高度500キロメートルの低軌道衛星を攻撃する能力があるということだ。読売新聞は同ミサイルが日本の弾道ミサイル迎撃能力を「飛躍的に高める」と形容した。

   ■米国のミサイル防衛システムの重要な一環

   現在、米国のミサイル防衛システムは米本土の「陸上配備中段迎撃システム」、主に終末低空ミサイル防衛迎撃に用いられるパトリオット3システム、主に終末高空ミサイル防衛迎撃に用いられるTHAADシステム、主に海上配備区域対空ミサイル防衛に用いられるイージスシステムからなる。このうち、イージスシステムは重要な位置を占める。

   陸上配備型ミサイル防衛システムが比較的固定された陣地に配備されるのと異なり、イージスシステムはミサイル防衛迎撃に用いることができるだけでなく、区域対空、対地突撃、対潜作戦任務も執行できる。

   米軍側の配備計画によると、スタンダード3を中心とするイージスミサイル防衛システムは、THAAD及びパトリオットと相互補完構造を形成し、遠中近、高中低の総合連結する「ミサイル防衛の隔離壁」を形成する。

   ■ミサイル防衛強化への報復措置は必至

   近年、米国は世界的なミサイル防衛システムの配備を強化している。欧州ではイランの脅威を口実に中東欧ミサイル防衛システムの配備を推進し、アジア太平洋では朝鮮の脅威を口実にアラスカから日本、韓国を経てオーストラリアへいたる「ミサイル防衛の弧」を築くべく努力している。だが、見識ある人はみな、米国が目をつけているのがやはり中露であることを分かっている。

   ロシア外務省不拡散 軍備管理問題局長は8日「欧州とアジア太平洋でのミサイル防衛システム配備の拡大という米国の一方的行動は戦略的安定を著しく損なう。非建設的であるのみならず、有害かつ危険だ。冷戦思考に満ちたこのようなやり方は、世界の戦略的安定と大国間の相互信頼に深刻な影響を与え、国際体制を一層不安定、予測不可能にする。断固たる報復措置に遭うのは必至だ」と述べた。

   

(人民網日本語版)

 

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専門家「米日のミサイル防衛協力強化は戦略的安定を損なう」

新華網日本語 2017-02-11 15:07:41

   日本防衛省防衛装備庁は4日、海上自衛隊と米海軍が同日ハワイ沖でSM-3ブロック2Aの実弾迎撃実験に初めて成功したと発表した。今回の迎撃実験はマティス米国防長官の訪日期間、日本の安倍晋三首相の訪米前に行われたことで、ことのほか注目された。(文:葛立徳国防大学教授。解放軍報掲載)

   ■日本のミサイル防衛能力を大幅に向上

   以前の米国単独開発の迎撃ミサイルと異なり、SM-3ブロック2Aは米日の共同開発だ。2015年6月に初めて陸上実験を行い、2017年に開発を終え、日本は2021年度から海上自衛隊に配備する計画だ。

   現在海上自衛隊の配備するSM-3ブロック1Aと比べ、2A型ミサイルは射程も射高も大幅に向上している。中長距離ミサイル、さらには大陸間弾道ミサイルを防ぎ、高度500キロメートルの低軌道衛星を攻撃する能力があるということだ。読売新聞は同ミサイルが日本の弾道ミサイル迎撃能力を「飛躍的に高める」と形容した。

   ■米国のミサイル防衛システムの重要な一環

   現在、米国のミサイル防衛システムは米本土の「陸上配備中段迎撃システム」、主に終末低空ミサイル防衛迎撃に用いられるパトリオット3システム、主に終末高空ミサイル防衛迎撃に用いられるTHAADシステム、主に海上配備区域対空ミサイル防衛に用いられるイージスシステムからなる。このうち、イージスシステムは重要な位置を占める。

   陸上配備型ミサイル防衛システムが比較的固定された陣地に配備されるのと異なり、イージスシステムはミサイル防衛迎撃に用いることができるだけでなく、区域対空、対地突撃、対潜作戦任務も執行できる。

   米軍側の配備計画によると、スタンダード3を中心とするイージスミサイル防衛システムは、THAAD及びパトリオットと相互補完構造を形成し、遠中近、高中低の総合連結する「ミサイル防衛の隔離壁」を形成する。

   ■ミサイル防衛強化への報復措置は必至

   近年、米国は世界的なミサイル防衛システムの配備を強化している。欧州ではイランの脅威を口実に中東欧ミサイル防衛システムの配備を推進し、アジア太平洋では朝鮮の脅威を口実にアラスカから日本、韓国を経てオーストラリアへいたる「ミサイル防衛の弧」を築くべく努力している。だが、見識ある人はみな、米国が目をつけているのがやはり中露であることを分かっている。

   ロシア外務省不拡散 軍備管理問題局長は8日「欧州とアジア太平洋でのミサイル防衛システム配備の拡大という米国の一方的行動は戦略的安定を著しく損なう。非建設的であるのみならず、有害かつ危険だ。冷戦思考に満ちたこのようなやり方は、世界の戦略的安定と大国間の相互信頼に深刻な影響を与え、国際体制を一層不安定、予測不可能にする。断固たる報復措置に遭うのは必至だ」と述べた。

   

(人民網日本語版)

 

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