近頃、日本企業が相次いで今年度第3四半期(10-12月)の決算報告を発表している。その結果、喜ぶ人もあれば嘆く人もありとさまざまだ。鴻海の買収を受け入れてから1年を経たシャープは純利益が42億円になって赤字から黒字への転換を達成した。ソニーは各分野の収入が前年同期に比べて軒並み減少した。人民網が伝えた。
▽シャープは2年ぶり黒字
シャープが発表した3四半期決算(16年4月1日から12月31日までの9カ月)によると、第3四半期には純利益42億円を達成し、9四半期ぶりに黒字となった。16年度全体の業績予想は373億円に上方修正された。鴻海の買収から半年後、鴻海集団の郭台銘会長は「2年で黒字化させる」との約束を果たしたといえる。
鴻海傘下の富士康に買収されたシャープは、構造改革を急ピッチで進めており、第4四半期(1~3月)には「反攻」に転じる構えだ。売上高を伸ばすだけでなく、8K技術や有機ELディスプレーといった新興技術の研究開発や投資を絶えず強化する方針で、ヘルスケア産業などの新規事業の取り組みも加速させている。
▽ソニーの利益は84%減少
ソニーはシャープほど順調ではない。決算によると、第3四半期の営業収入は2兆4千億円、純利益は196億円だった。営業収入はそれほど減少していないが、株主に帰属する純利益が大幅に減少し、同約84%も減少した。純利益の急減は映画分野に足を引っ張られたことが大きく影響しており、映画分野は同期に約9億2千万ドル(約1032億5千万円)の損失を出している。ソニーの説明では、映画分野の営業利益の減少は主に9億6200万ドル(約1079億7千万円)の非資金調整項目を加味したためとしている。
決算によれば、ソニーの同期の営業収入は7%減少して2兆4千億円となり、為替変動の影響を大きく被ったという。
またソニーは通年の業績予想を下方修正した。理由として、1989年にコロンビア映画を買収したことを受けて、映画分野で9億6200万ドルの評価減があったことを挙げている。
▽パナソニックは純利益が増加
パナソニックがこのほど発表した3四半期(4月1日~12月31日)の決算報告をみると、営業収入5兆3500億円、営業利益2406億円、純利益1754億円を達成している。
パナソニックによれば、営業収入は為替レートの影響が大きく、減少傾向にある。米ハスマン社の買収や為替変動の影響(円高によるマイナス影響)を除けば、第3四半期には「実質的な増収」を達成しており、第2四半期(7–9月)と同じく、前年同期比の営業利益は減少したが、純利益は増加した。
(人民網日本語版)
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