あと2日で酉年の春節（旧正月）だ。毎年の春運（旧正月に伴う帰省 Uターンラッシュ）は、世界を驚かせる民族大移動だ。中国交通運輸部のデータによると、24日と25日の帰省客は1日で延べ8000万人に達した。別の報道によると、1400万人以上が北京市を離れたが、この人数はギリシャとアイルランドの総人口に相当するという。北京市、上海市、広州市などの大都市は「ゴーストタウン化」する。今年はさらに600万人弱が海外旅行を予定している。これらのデータは再び記録を塗り替えた。
春節はこの壮観な人類活動で、その驚くべきパワーと、中国伝統文化におけるかけがえのない地位を示している。
間もなく過ぎ去る申年は、人々にさまざまな記憶を残した。ある人は進歩と新たな自信を手にしたが、中には苦しい思いをした人、順調にはいかなかった人もいる。経済成長率の低下と改革の痛みは最終的に、生活の瑣末事にも及ぶ。前進する中国は、無数の異なる人々によって支えられている。
私たちの社会は楽しいことばかりではなく、働いて生計を立てる苦労、さまざまな不満、苦悩、失望があるだろう。しかしこの不快なものは、帰省中に徐々に消えていき、除夜の鐘によってゼロになる。「希望」はこの時、リスタートする。
春節中、中国全体が暖かで穏やかな雰囲気に包まれる。十数億の中国人は互いに笑顔で迎え、親戚回りをし、同胞の間にしかない文化の共鳴が生まれる。春節は中華民族の楽観、向上心、強さ、団結を示す。私たちはこのような性格により「中国の奇跡」を生み出し、また新たな奇跡を生み出し続ける。
多くの人は近年、春節らしさが失われてきたとため息をついている。確かに多くの習慣は時代の流れにより、徐々に失われている。しかし中国人の年越しへの重視は変わっておらず、むしろ強まっていることだろう。この失望感の裏には、年越しへの思いと期待がある。春節は中国伝統文化の最も強いマークとして、私たちの血液中に溶け込んでおり、子々孫々と継承されていくだろう。
すべてが変化しているが、中国人の年越しへの思いと期待が変わることはない。私たちは家族と食卓を囲み談笑することを、賑やかな友人との集まりを、なにもしないこと、何も考えないでリラックスすることを大切に思う。中国人は普段、あまりにも張りつめた生活を送っている。現代社会の激しい競争と生活リズムの加速により、ストレスが拡大している。またリラックスへの願い、暖かな家庭への思いを強めている。
そのため春節はより貴重になっている。現在問題になっているのは、春節の形式的な内容が薄すぎることで、14億人の全体的な感情を担うことができない。30年以上前に不足を補うため誕生した「春晩」（年越し番組）は大きな磁石のように、無数の人々の注意を引いた。しかし「春晩」の他に、時代は新たな補給を求めている。春節の文化的価値の開発を続け、チャージを続ける必要がある。これは中国の国民生活改善の新たな中身だ。
春節という大きな絵巻物において、世界は限りなく豊かな中国文化の中身を見ることができ、「中国の夢」への理解を深めることができる。大きく変化し流動する時代においても、中国人は家庭を重視し、物腰柔らかで、老いを尊び賢き者を敬う。このような民族は侵略的な遺伝子を持たず、覇権を求めることはない。このような国が強くなるほど、世界の平和と安定を促進できる。
（チャイナネット）
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