中東の苦いコーヒー
(写真はネットより)
トランプ氏の就任によって、中東諸国は米国に対するこれまでの複雑な感情がより一層、複雑化し、一杯の苦いトルココーヒーのようで、ある人はその苦さを嫌い、ある人は刺激を好み、ある人は砂糖とミルクを入れて苦味を和らげる。
トランプ氏は米国の中東政策を大幅に調整すると公言した。シリア問題で、テロ取締りと「イスラム国」への攻撃を第一目標とし、ロシアと協力する方針だ。地域の安全保障問題で、トランプ氏は湾岸沿線国に米国の軍事費を支払うように求めている。
半島テレビ局の電子版は先週、『トランプ氏から迫り来る恐怖』と題した記事を掲載し、「(米国大統領選挙)結果によって、我々は果てしなく広がる海に追いやられた。トランプ氏がどんな政策を講じるのか未知数だ。」と評じた。
南米のテキーラ
トランプ氏の就任を傍観する南米諸国の人々にとって、一口で一杯のレモンと塩を加えたメキシコの伝統的なお酒、テキーラを飲んだのような感覚だろう。レモンの酸味と塩辛さとテキーラの辛味が混じり合い、わかり難い味がする。
この2カ月間に、トランプ氏は不法滞在するメキシコ人移民を追放し、米国とメキシコの国境に壁を作ると断言した。また、メキシコ製品に高率の関税を課し、トヨタ、フォード、GMなどの自動車メーカーに対し、メキシコに工場を設立して米国に輸出する自動車に35%の関税を課すと主張している。
多数の南米諸国の人々にとって、トランプ氏が表明した貿易保護主義の立場はこれらの国の停滞した経済に厳しい外的試練をもたらすだろう。
東南アジアカレー
トランプ氏は東南アジア人には、あまり馴染みが感じられないであろう。まるでカレーを食べるように、最初の一口をつぼめて食べてから、敬遠するか、醴(甘酒)のように愛するかを決めることができる。
事実も確かにこのようであり、トランプ氏はいとも容易く環太平洋パートナーシップ(TPP)協定をだめにした。一部の東南アジアの学者は、トランプ政権下の米国で肝心なのは米国の「復活」の動機と心理状態を観察せねばならないことで、米国が頑なに「米国優先」を持ち出して「復活」を指図する物差しとしたいなら、米国の新アジア太平洋戦略は恐らくこの地域をいっそうアンバランスなものにさせ、いっそうのアンバランスをもたらすことになるだろうとみなしている。