新華網北京1月17日(記者/劉秀玲)日本の安倍首相は17日、フィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナムの4カ国訪問を終了した。6日間の行程で、安倍首相は4カ国の政府高官と経済援助の協議を行い、安全保障協力について討論したが、「真意は別の所にある」という印象を残した。16日夜、安倍首相はベトナム・ハノイで4カ国訪問を「米国の参加はアジア太平洋の平和と繁栄にとって欠かせない。我々は引き続き米国と緊密な協力を維持することで合意している。」と総括し、安倍首相はハノイで米国の次期大統領のトランプ氏との首脳会談を早期に実現したい考えを示した。
共同通信社は17日、安倍首相の今回の訪問は対米アピールが著しく表れており、トランプ政権が継続的にアジアを重視し、アジア太平洋での影響力を維持することで、日本がこの地区で引き続き中国と対抗できるように仕向ける意図があると報じた。
【米国を引き留める】
安倍首相は12日から、東南アジア3カ国とオーストラリアを歴訪した。日本メディアは安倍首相の訪問前に次のように指摘した。安倍首相の今回の重要な任務の一つは、米国がアジア太平洋事務に参加する重要な意義を各国と確認することだ。特に、フィリピンとオーストラリアという「米国の同盟国」では、安倍首相が米国に代わって同盟関係の重要性を確認したかったが、トランプ氏は現在まで一度も「日米同盟」という表現を提起していない。
フィリピンが安倍首相の新年初訪問国になったのは、フィリピンのドゥテルテ大統領の対米姿勢が変化し、フィリピンと米国関係に「不穏な動きが生じた」ことによる。ドゥテルテ大統領が昨年、日本を訪れた時に、安倍首相は懸命に仲裁役を務め、フィリピンを米国と日本の陣営に戻すために働きかけた。今回のフィリピン訪問も例外ではない。ドゥテルテ大統領との会談時に、安倍首相は「フィリピンと米国同盟の重要性」を強調し続けた。
日本はオーストラリアを「準同盟国」とみなし、会談後、両国首脳は「豪米同盟」、「日米同盟」を軸として、相互の疎通を強化することを確認した。インドネシアと最後の訪問国ベトナムでも、安倍首相はアジア太平洋の繁栄と安定にとって、米国の参加が重要であることを提起した。安倍首相はまた、自由貿易を推進し、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定を早期に達成するように呼びかけている。一方で、トランプ氏は就任初日にTPPから離脱すると表明している。
ある日本の高級外交官は安倍首相の外国訪問の動機を説明した際に「トランプ氏がアジア太平洋が米国の発展にとって不可欠だと判断し、継続的に経済の吸引力を維持できるならば、アジア太平洋リバランス戦略を続行するだろう。我々はそれを望んでいる。」と述べた。
留意すべき点は、大統領選挙中から現在まで、トランプ氏は「日美同盟」という表現を一度も提起しておらず、日本政府に焦りが見られることだ。『東京新聞』は13日、トランプ氏は先ごろ、日本により多額の在日米軍経費を負担させるなど、日米同盟関係を見直す意向を示唆したと報じた。安倍首相は昨年11月、トランプ氏と面会したが、会談内容は公開されておらず、トランプ氏が「日米同盟」をどう見ているのかは依然として未知数だ。
【支援国を探す】
共同通信社は日本が米国が継続的にアジア太平洋で影響力を発揮することを希望するのは、日本が釣魚島問題など海洋紛争を含む問題で中国に対処するために米国の支持を得ることが有益だからだと分析している。
安倍首相は今回の訪問で引き続き各国を引き込んで中国を包囲することを忘れていない。安倍首相は訪問中に、フィリピンに1兆円(約605億元人民元)の経済援助を提供し、インドネシアに739億円(約44億7千万元人民元)の円借款を供与し、ベトナムに6隻の新しい海上巡視船を提供することを明らかにした。
日本の東洋学園大学の朱建栄教授は次のように指摘する。安倍首相が現段階で4カ国を次々と訪問したことは、一方でトランプ氏のアジア太平洋に対する注意を喚起し、中国への重圧を強化する日本の方針を体現し、もう一方で、安倍首相が想定する「騒動のきっかけを作り、中国を孤立化させる」戦略も反映している。
朱建栄教授は「安倍首相は関係国の反中国支援を精力的に扇動しているが、実際は至る所で肘鉄砲を食らっている。各国は援助は拒まないが、反中国を支持する意向はない。」と語った。朱建栄教授はこれは各国が日本の意図を見通し、適当に対応しただけであることを反映していると指摘し、また「ある首脳はまるで国王が新しい衣装を着て踊るように、天下に恥を晒している。」と語った。
(新華社より)
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