数年前の豚と異なり、いま話題になっているのはロバだ。
「ダブル12」のセールのお祭り気分が抜け切らないうちに、阿膠(ロバの皮を使った生薬の一種)の値上げが噂されている。「元旦まで30−40%高くなる。500グラムで5000元弱になるだろう」
阿膠は中国非処方箋医薬品の覇者だ。データによると、2015年の小売薬局販売額ランキングで、阿膠は65億8200万元で首位をキープした。
阿膠が今日ほど普及し、高額になったことはない。
阿膠、妊娠したロバの血、ロバミルクなどの市場の需要が拡大する一方で、ロバの数が減少している。中国情報産業網のデータによると、阿膠類商品の市場規模は2007−14年の間に4倍弱に拡大したが、ロバの飼育量は100万頭減少した。飼育量が減る一方で、屠殺のペースが上がっている。ロバの皮の国内での価格は、15年間で100倍弱に上昇した。これはロバ飼育業者にとっては、紛れもなく黄金の時代だ。
毎年の需要は400万頭分、世界中でロバ探し
阿膠生産メーカー「東阿阿膠」の従業員は記者に対して「社内で最も見かける機会が少ないのは、ロバ皮調達部門の社員だ。彼らは全国各地を走り回る必要がある」と述べた。ロバ皮は旬のある商品ではなく、一年を通じて供給されているが、ロバ出荷量が毎年減少しており、調達が困難になっている。以前は1カ所で皮を十分に調達できたが、その後は数カ所を回るようになった。回る場所が増えれば、調達にかかる時間が増える。
ロバは通常、1歳から1歳半に出荷される。しかしロバが不足している現在、メーカー側は年齢を気にしていられなくなった。「本物のロバ皮であれば、それでいい」
メーカーは供給を確保するため、原材料の調達で海外に目を向けている。東阿阿膠の秦玉峰総裁は昨年インタビューに応じた際に、同社のロバ皮原材料に輸入が占める比率が20%に上昇していると述べた。
海外で大量のロバ皮を調達していることについて、多くの外国人が不審感を抱いている。中国はなぜ、世界中でロバを探しているのだろうかと。観察者網の報道によると、ナイジェリアの中国へのロバ輸出量は今年激増し、年末を待たずして8万頭に達した。別の西アフリカ諸国であるブルキナファソには140万頭のロバがいたが、半年内に4万5000頭が屠殺された。
(チャイナネット)
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