中国大陸版初のミシュランガイドとなる「ミシュランガイド上海2017」が21日、上海で発表された。発表から間もないにも関わらず、中国国内では歓迎の声にとどまらず、はやくも賛否両論が巻き起こっている。今回上海版に収録された星印による評価を受けたレストラン26軒は広東料理と西洋料理が多く、チェーン店が選ばれていることや、一部の評価が高いレストランが選ばれていない点など、様々な点で不満の声が上がっている。
中国国内初となるミシュランガイド
このほど発表された「ミシュランガイド上海2017」では上海にあるレストラン26軒が選ばれたほか、ビブグルマンとして25軒のレストランを推薦している。ビブグルマンとは主にその優れたコストパフォーマンスを評価されたレストランだ。
注目が集まる評価基準に関しては、ミシュランの公式サイトの説明によれば、一般消費者がその利用体験を総合的に判断するのに比べ、ミシュランの星印による評価はその調理テクニックや食材のクオリティを重視するとしている。サービスや快適度が星印の評価につながらない点は一般消費者にとって理解しがたい点かもしれない。しかし関係者によると、こういった事実はレストランによりその料理を重視させ、消費構造をアップグレードさせることでレストランに対する評価が次第に総合的な評価へと変化していくと指摘している。
中国国内初ゆえの賛否両論
レストラン情報ガイドから始まり、発展を続けたミシュランガイドは、現在飲食業界において権威ある評価基準の一つとしてみなされている。今回中国国内で初めてミシュランによる評価を受けることになった一方で、その評価に関しては賛否両論も巻き起こっている。
ミシュラン上海版で評価された上海のレストラン26軒のうち、広東料理が9軒を占め、上海の地元料理の店は数えるほどだったため、その専門性と観光地としての参考価値に限りがある点や、26軒中6軒が西洋料理だったため、一部の業界関係者はその占める割合が20%を超えるというのはやや高すぎるのではないかという見方を示している。また北京ダックレストランの大董や香港飲茶レストランの利苑といった大型レストランチェーンが選ばれた一方で、非常に高い評価を受けているレストランが選ばれていないことをうけて、その審査期間や審査員の味の好み、西洋料理における基準などがネットユーザーからの批判の的となっている。
また最も注目されているのが、ミシュラン上海版が今後も中国国内で欧州本土のような絶対的な地位を築いていくことができるのかという点だ。ここ数年、飲食業界の発展と中国国内の消費構造はアップグレードし続け、グルメ推薦アプリが次々と登場しているだけでなく、ジャンル別ランキングから価格別ランキングまでその評価が詳細に及んでいるためだ。同時にインターネットの発展を触媒とした自己メディアの発展が起こり、味の好みにより敏感なグルメたちは、自らが好むスタイルでのグルメ自己媒体を持ちつつある。ある業界関係者によるとこうしたグルメの口コミ媒体に比べると、確かにミシュランガイドの影響力は大きいものの、決してその優位性は目立ったものであるとは言えないという。
2017年度版はローカル化が徹底しておらず、西洋料理の影響がやや大きいが、業界関係者は、ミシュランガイドは世界的な名声を得ており、ミシュランガイドが中国国内に進出することで、中国料理が世界に飛び立つ道筋を提供することになると明言した。
(人民網日本語版)
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