ゲームをよりリアルにするVR技術
平らな地面を歩きながらも切り立った崖を「登る」ことができ、屋内にいながら雪山や火山で「遊ぶ」ことができる。宝探し、格闘、宇宙旅行など、VR技術は人類の聴覚・視覚・触覚に無限の可能性をもたらす。ではVRが医療と結びつき、医師の研修に変革をもたらすことはあるだろうか?華西都市報が伝えた。
◆VR技術で手術をシミュレーション
科学技術博覧会のハイテク産業展示館で20日、「VR+医療」と書かれたパネルの下に多くの人が集まっていた。展示パネルのVRヘッドセットと医療用マスクの融合は、斬新で奇妙だった。
このVRプロジェクトは手術シーンをシミュレートすることで、医学生と若い実習生がフルスケールの手術室内で手術できるようにする。視覚・聴覚・触覚などを十分に使用し、よりスピーディに学習を進めることができるようになる。
関係者は「中国の医療サービスは現在、多くの患者を満足させていない。臨床レベルの高い医師の多くが、大都市の最高等級の病院に集中しているため、それより低いレベルの病院に就職している若く経験の浅い医師がスピーディに成長できる効果的な手段が必要だ。そのためVR技術は研修で非常に効果的だと考える」と述べた。
◆VRで手術を生中継、医師の「実戦」経験を増加
実際の手術では、さまざまな突発的な事態に遭遇する。手術室に入ったあと、いかに迅速に反応し、危機を回避するべきだろうか?
VR技術は手術の360度パノラマ生中継が可能だ。まるでその場にいるかのような没入感に浸り、執刀医のそばに立ち手術を学んだような気分を味わえる。関係者は記者に対して「通常は6台のカメラを使い、全方向から生中継する。外科医が実際に手術室に足を踏み入れるまでには、長年の学習が必要だ。さらに手術室に入った後も、執刀医のそばに立ち近距離から観察する機会は少ない。そのためこのパノラマ生中継は、理想的な学習方法だ」と説明した。
関係者は「VR技術が医療全体を覆すような変化をもたらすとは言えず、一つの変化をもたらすだけだ。例えばこのような手段により医師の研修を行えば、解剖実験に必要な死体の需要、もしくは小動物の解剖を減らすことができる。小動物の解剖も、倫理的に物議をかもしている問題だ」と述べた。
(人民網日本語版)
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