日本SF作家クラブ会長の藤井太洋さん(写真は新華網より)
新華網北京9月12日(記者張一、薛天依)日本SF作家クラブ会長・日本SF小説家の藤井太洋さんは10日、北京で新華網記者のインタビューを受けた際、自分の作品、SFができること、日本や中国のSF事情などについて語った。
2013年以来、藤井さんは四本のSF長編小説を書いた。その中の『オービタル・クラウド』で第35回日本SF大賞、第46回星雲賞(日本部門)を受賞した。本人は、一作目の『Gene Mapper』が最も気に入っている作品だと言っている。今回、藤井さんは「SF・中国と世界」国際SFサミットフォーラム並びに第七回世界的中国語SF星雲賞授賞式に出席するため北京を訪問している。
SFは人に考えさせることが出来る
SF作品は元々科学的な空想に基づいたフィクションだ。だが、科学技術の進歩につれてその空想も現実となったのが少なくない。SFと、技術の発展や人類の未来との関係について、藤井さんはこのように語った。
SF小説で未来を予測することは大変難しい。「未来を予測するのに一番簡単な方法は、創って見せることです」。これはコンピューター・サイエンティストのアラン・ケイ氏の名言だ。SF作品は人に考えさせることができ、その未来を創る人達に対してインスピレーションを与えることができる。
言葉の交差点にいる日本、言語SF集まり
藤井さんによると、日本は言葉の交差点にいる国。アルファベット、中国の漢字、音を表すための平仮名、さらに外国語を示すための片仮名等、沢山の種類の文字が日本で使われている。言語が変わることや言語を変えることに対して、日本人作家には敏感なところがあるという。独自の進化を遂げた日本SF、他の国と比べて言語SFのシリーズは多いのが特徴らしい。
中国のSFは豊かになっている
『三体』のヒューゴー賞受賞に対し、藤井さんは祝賀の意を表わし、翻訳作品でヒューゴー賞を取ったのはすごいことで、劉宇昆さんの力が大変大きいとコメントした。藤井さんによると、中国のSFはこの十年ぐらいの間にとても豊かになっている。今回の中国星雲賞も、感動するほど素晴らしく、スタッフワークもきめ細やかだったという。
日本SF作家クラブ会長の藤井太洋さん(写真は新華網より)
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