カナダのモルノー財務相は31日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の本部がある北京で、カナダがAIIBへの加盟を正式に申請したと発表した。この决定によりカナダは北米で初めてAIIB加盟申請国となり、日本は米国の同盟国のうち唯一AIIBに加盟していない孤独な国になった。ある日本メディアはこれを「政変」と激しい言葉で描写した。
しかしモルノー財務相はこの决定について、「カナダは常に国民と世界の人々にチャンスと希望をもたらそうと考えているが、AIIB加盟はそのチャンスに当たる」と説明した。中国を訪問中のトルドー首相にとって、これは訪中の唯一の見どころではない。AP通信は、「トルドー首相は31日に中国の首脳と会談した後、両国関係の新時代が始まったと歓呼の声をあげた」と報じた。
カナダのテレビ局は31日、「カナダの関係者は、南中国海情勢で敏感になっている時期にAIIBに加盟することで、中国の国際問題における影響力が強化されることを懸念している。しかし大多数の関係者は、昨年AIIB加盟を見送ったのは間違いだったと考えている」と伝えた。
英フィナンシャル・タイムズ紙は「AIIBは世界の金融・外交・経済ガバナンスに進出しようとする、中国の野心あふれる試みだ。AIIBの次の加盟締め切りは9月30日だ。これはカナダが過半数の加盟国の賛成により、2017年に加盟が認められることを意味する」と報じた。
AIIBの金立群総裁は31日、カナダの决定に歓迎を表し、AIIBに対する「信任票」だと述べた。米ブルームバーグは「カナダはG20杭州サミット開幕前にAIIBへの加盟を申請した。これは中国の外交の勝利だ。これによりG7で加盟を見送っているのは米日のみとなった。中国が新たなルートを切り開き影響力を拡大しようとするなか、カナダは中国に新たな勝利をもたらした」と論じた。
英シティAM紙は「英国がAIIBへの加盟を申請した当時、米国が怒りの余り鼻まで曲げたことを覚えているだろうか?今や米国に最も近い隣人が加盟を申請し、きまりの悪い状況となっている」と伝えた。カナダのグローブ・アンド・メール紙は「米国は、英国が経済的な理由によりAIIBに加盟することは事実上、中国に頭を下げることだと批判した。しかし英国が加盟を申請してから18ヶ月後、米国はAIIBの存在に慣れたようだ」と報じた。
在ロサンゼルス・ニューヨーク中国総領事館の前経済・商務参事官の何偉文氏は「カナダは米国に忠誠を尽くし、自国の経済的利益を犠牲にするという愚かな真似をする必要はない。これはAIIBが高い将来性を持つことを意味する。米国も将来的に、AIIBとの協力を検討すべきだろう」と話した。
金総裁によると、AIIBは9月より、30数カ国から提出された加盟申請の審議を始める。創設メンバー57カ国からなる現在のAIIBは、大幅に拡大される。すべての加盟が認められれば、加盟国は90カ国以上になる。
(チャイナネット)
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