(写真ネットより)
この春、お花の苗を一つ、もらいました。手の掌に乗るくらいの大きさで、小さな黄色花が一輪着いていました。4倍くらい大きい鉢に植え替えて、肥料もたっぷりやり、玄関の横に置いておきました。しばらくすると、思いもがけなく、とてもたくさんの花が咲いていました。「うわあ、意外に可愛い!」と、目がひきつけられました。
ある日、何気なしにテレビを見ていると、ガザニアという花が次のように紹介されていました。日光に当たると鮮やかに花が開き、夜には閉じる性質がある。ベランダにおいて朝カーテンを開け、元気に花咲く姿を見て目覚め、夜、花を閉じる姿を見て寝床に入る…そんな生活はいかがでしょう。カラットしたところが好きなので、水やり過ぎには注意が必要。
うちに来たのは、ガザニアのようでした。そう思って、夕方に見てみると、皆花達は閉じていて、いじらしく、まるで幼子のようです。そして、それで、あることを思い出しました。今から20年ほど前の阪神大震災の時、私たちの気功の団体と、兵庫県立健康センターと共同で、仮設支援健康気功ボランティア事業が立ち上がりました。7~80か所ほどの中、私は2か所受け持ち、そのうちの一か所は芦屋の山近くにありました。週に一度の訪問で、住民の方たちと一緒に気功を練習するうちにだんだん仲良くなり、印象的だったのは、ある人が、「私の住居の前にね、ガザニアの花があるのよ…ガザニアの花達と共に起きて、ガザニアの花達と共に眠る…素敵でしょう!」って、おっしゃいました。
家も何もかも、全部失ってしまって、とても大変な暮らしの中での、その方の言葉に、私は胸があふれそうになってしまいました、ことがありました。
この健気なガザニアの花が来て、あの時のことが思い出されました。
ちなみに、ガザニアの和名は勲章菊。花言葉は、あなたを誇りに思う…だそうです。
(作者/浅郷 一代 日本気功団体理事、兵庫県日中友好協会中国語教室会員)
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