5月31日までの6カ月間のH&MやGAPをはじめとするファストファッションブランドの最新の財務報告をみると、軒並み利益が暴落している。中国市場での業績はどうか。聯商網のまとめた統計によれば、アパレル上場企業37社の第1四半期(1-3月)の営業収入は、半数以上が減少だった。一方、ファストファッションブランドは中国市場で引き続き強い発展のエネルギーを維持しており、どこも年内に数十店舗を新たにオープンする計画だ。業界では、ファストファッションブランドの業績低下は、製品の同質化が著しいことと店舗数が多すぎることと関係がある、との見方が出ている。「東南早報」が伝えた。
関連の財務報告によると、5月31日までの6カ月間に、H&Mの税引前利益は前年同期比22%減少して12億4千万ドル(1ドルは約100.4円)にとどまった、売上高は同5%増加したが、前年同期の2けたに迫る増加率に比べると明らかに低い。4月30日現在、GAPの純売上高は同6%減少して34億4千万ドルになり、GAPは北米地域以外のオールドネイビーとバナナリパブリックの75店舗の閉店を発表した。ユニクロの親会社ファーストリテイリングも16年上半期の財務報告を発表し、約5年ぶりに半年間の純利益が減少した。今年1~3月には、J.クルー グループの純損益が800万ドルに上り、営業収入は同3%減少した。
だがこうしたファストファッションブランドは中国市場では引き続き強い発展のエネルギーを維持している。GAPは今年、中国で40店舗を新規オープンし、ユニクロも今年、80~100店のペースで新店舗を増やし、H&Mは年内に60~80店舗を新規開店させ、KMは6億ドルの大規模投資を行い、年内に300店舗を開設する計画だ。
中国のファッション銘柄をみると、聯商網が統計をまとめた「2016年第1四半期アパレル上場企業営業収入番付」によれば、今年第1四半期にはアパレル37社のうち、全体の51.4%を占める19社で営業収入が減少した。このうち営業収入と純利益がどちらも減少したところは10社あり、27.03%だった。
欧州コンサルティング会社のローランド ベルガーのグローバルパートナーで中華圏副社長の陳科氏は、「グローバル経済低迷がもたらした需要サイドの低迷がある。供給側からみれば、現在のファッション製品は同質化が深刻で、店舗がどんどん増え、店舗あたりの売り上げがますます減っている。これが業績低下の核心的な原因だ。また新興市場の人々の間で個性を欠いた商品へのニーズが目立って低下していることもある」と話す。
(人民網日本語版)
関連記事: