省燃費は一貫して日系自動車の一大セールスポイントになっている。一方で、この数カ月間に三菱、スズキなどの日本の自動車メーカーは燃費効率データの不正が相次いで発覚し、世界市場を驚かせた。
4月20日、三菱自動車の相川哲郎社長は記者会見を開き、排出水準を美化するために、軽自動車4車種の燃費効率テストに違法な操作があり、関連車両は60万台を超えたと認めた。
5月18日、日本で2番目に大きい軽自動車メーカーのスズキも 現地で販売する16車種に燃料効率データの不正があり、関連車両総数は210万台を超えたことを容認した。
アナリストは次のように分析している。低燃料消費と低価格戦略で日本の軽自動車市場の競争が白熱化したことによって、多数の自動車メーカーが燃料効率データと測定方法でリスクを冒すことを迫られ、最終的に消費者を無視した市場シェア争奪戦を繰り広げ、上記データの不正行為が発生した最も根本的な原因となっている。
業績不振を不正で誤魔化す
日本の家電業界はかつて自動車業界などの業界とともに、日本経済が戦後の敗戦から立ち直り、世界の経済大国の列に加わるように導いてきた。だが、中国、韓国などの国と地域の家電製造業の台頭に伴い、日本の家電メーカーは世界市場でシェアを分割し、業績も日益しに下降している。さらに、自身の投資、又は発展路線に誤りがあるなどの問題によって、日本の家電メーカーはこれまでの誇りをますます維持し難くなっている。
この苦境によって、東芝は不正を選んだ。昨年7月、独立した第三者調査委員会は2014年3月までの5年間に東芝が1,518億円(約14億3千万ドル)の収益を粉飾していたとする報告書を公表した。財務報告の不正によるダメージを受けて、2014年度に、東芝の純損失は378億円(約3億6千万ドル)に上った。
日本の企業文化は集団主義と管理職の権威を強調している。「忠誠」と「序列」を前に、高級管理職は企業を代表し、企業は一人、又は数人の天下になっている。株主総会は取締役会と監事会の役員を選出し、内部の制限とバランスの構造を形成しているが、大多数の日本企業のうち、管理者層の共通認識は「社長に懐疑的になってはならない」というもので、取締役会は制御とバランスに何の作用も発揮していない。また、企業ガバナンスが効力を失った状況では、企業が対外に開示する情報の真実性は保証されない。
日本の製造業が集団で不正
今年6月、日本で業界3番手の鉄鋼メーカーの神戸製鋼は、同グループ傘下の神戸製鋼ステンレスが欠陥品の数を減らすため、過去9年を超える期間にばね用ステンレス鋼材の強度試験のデータを改ざんして公表し、不合格製品を合格として出荷していた。
これに留まらず、日本の建設業も昨年、ここ数年で最も注目を集めた事件が露呈した。2015年10月、日本の三井不動産グループが販売した横浜市都筑区のあるマンションが傾斜していることがわかった。調査後に、マンションを支える杭の8本以上が支持層といわれる強固な地盤に届いておらず、打ち込む深さが不足していた事実が判明した。同プロジェクトの元請け会社で、杭打ちを担当した日本の建設大手の旭化成建材が手抜き仕事を行い、さらには施工前に杭を固定するコンクリートの用量、地盤強度などのデータを改ざんしていた。
日本の製造業の集団的な不正は、日本の製造業が現在、転換期の混乱と「復興」の兆しが見えない焦りに直面しつつあることを反映している。この隙間で、かつて好調だった日本ブランドは性急に結果を求めるか、落ち込んだ業績を隠蔽しており、これが近年、日本の製造業の不正が後を絶たない根源となっている。さらに、昨今の「アベノミクス」は旧3本の矢に効力がなくなり、新3本の矢は意味が曖昧になっている。日本の誇りだった製造業は、一体いつ頃、「泥沼」から抜け出すことができるのかについては、依然として予測が難しい。
(新華社より)
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