「韓国経済新聞」は、サムスンがBYDとの資本 業務提携を望んでいると報じた。部品等の供給を増加させることで、政府の支援によって中国で急速に高まる環境対応の車両ニーズに応える狙い。サムスンは30億元を出資、BYD株の4%を取得する。一方BYDは、いわゆる4%という比率は事実と異なると発表している。
今回のサムスンの動きに関し、海外メディアは様々な論評をしている。日本メディアは、同社は車載電池の販売を促進するため、中国政府の認証獲得を目指しているとの見方をする。
両社の提携の背景となっている中国の環境対応車市場は現在、急速に拡大している。政府の補助金により、電気自動車やPHV(ブラグインハイブリッド車)の販売数は2015年に約33万台に達した。前年の4.4倍に上る。
この市場拡大を牽引するのが、アメリカの著名投資家であるウォーレン バフェット率いる投資会社を株主に持つBYDである。同社は2015年度(2015年12月決算)の電気自動車およびPHVの販売数を合計58000台としており、2016年度は12~15万台の販売を見込む。車両制御に不可欠な半導体や電子部品の購入量も莫大なものとなっている。サムスンはここに着目しているのだ。
サムスンはスマホなどに使用する半導体分野で世界最大のシェアを誇る。一方、成長分野である車載半導体分野では存在感に乏しい。半導体に留まらず、サムスン傘下でリチウムイオン電池業務を手掛けるサムスンSDIは、スマホ分野で世界最大のシェアとなっているが、電気自動車とPHVのリチウム電池分野では世界第6位に過ぎない。この分野をどう強化するかが、サムスングループの課題になっている。