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「パン!パン!パン!」楊さんは、手に持った訓練用のクラッカー(鳴り物)を鳴らしながら、四川訛りで、「姚曼、姚曼……」と呼びかけた。飼育係が呼ぶ声を聞いた「姚曼」は、丸い頭を上げ、大きな黒い眼で周囲を見渡し、すぐに良く太った大きな身体を揺らしながら、パンダに特徴的なすこし外股の歩き方で、獣舎に向かって歩み寄った。
楊さんは、「パンダは生まれつき近視だが、聴覚と嗅覚は非常に鋭い。成年のパンダと直接接触することは、危険なので不可能だ。なぜなら人と接するとき、彼らは自分の力をコントロールすることができないので、悪気なしに人を傷つける恐れがあるからだ」と話した。
飼育員は、竹や筍以外に、窩頭(トウモロコシまたは雑穀の粉で作った蒸しパン)、ニンジン、リンゴなどの餌をパンダに準備する。窩頭には各種ミネラルや栄養素が加えられており、このような窩頭を、毎日4回与える。食べさせる前には必ず計量して、餌の量を適切に保つ必要がある。
パンダは草食で、肉は食べられないのだろうか?実際、パンダは主に竹を食べるが、実は正真正銘の肉食動物だ。パンダの消化器官は、他の肉食動物の消化器官と同じ特徴を備えている。それは、腸管が細く短い、構造がシンプル、腸管の内壁がつるつるしている、といった特徴だ。野生のパンダは、小動物を捕獲して食べることもある。