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「人工太陽」核融合、中国が開発の先頭に
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2016-06-07 13:45:06 | チャイナネット | 編集: 吴寒冰

 核融合発電は資源が豊富で環境汚染もないことから、科学界ではエネルギー問題と環境問題をすべて解決できる可能性が最も高い手段の1つだと考えられている。

 中国科学院の専門家によると、中国は21世紀初頭から国際熱核融合実験炉(ITER、イーター)計画に参加しており、10数年にわたる研究を重ねて、核融合開発や重要部品の製造技術などの水準が先進国並みに向上し、独自の知的財産権を有する核融合実験炉を建設できる力を備えるに至ったという。

 核融合発電は、地上で太陽を実現するとして「人工太陽」と称されているが、中国はその開発への道をひたすら走り続けた結果、これまでの「後続者」や「並走者」的な立場から、高い輸出力を備えた「先駆者」へと成長した。

 科学者らは、「核融合は海水から水素の同位体である重水素と三重水素(トリチウム)を抽出して利用するため、汚染物質をもたらすことはない。1リットルの海水からガソリン300リットルに相当するエネルギーを取り出せるとされており、現在の世界のエネルギー消費量と地球上にある海水の量から計算すると、全人類で使うエネルギーの数億年分を核融合でまかなえることになる」としている。

 国際宇宙ステーションや、欧州補給機、ヒトゲノムといった研究プロジェクトと同様、この分野の研究も国際的な科学技術協力プロジェクトとなっている。米、仏などは1980年代半ばから、ITER計画を立ち上げ、人類にクリーンなエネルギーを提供することを目的に、世界初の核融合実験炉の建設を目指してきた。中国は2003年からITER計画に参加、日欧露米韓中印の参加7極のうちの1極で、ITER計画に関わる総資金の9%を負担し、知的財産権を他極と共有できる。

 安徽省合肥市にある中国科学院プラズマ物理研究所は、その国際科学技術協力計画を中国国内で担う部署であり、核融合実験で大き成果を挙げてきた。同研究所の宋雲涛副所長によると、「中国が製造を請け負ったITER向け部品は100%国産化を果たし、すべて1回の検査で100%合格し、期日どおりに納入している。ITER機構長からは、中国は研究開発と生産において「他極の先を行く」との評価も受けている」という。

 中国が独自に建設を進めてきた人工太陽の実験装置「東方超環」(EAST)などの装置は、世界最先端の核融合実験室と対等な交流や対話を行っている。中国分担分のITERミッションを請け負うメーカーは20数社あるが、ITERと国内の核融合実験装置の建設で、いずれも白紙の状態から研究開発を進め、世界トップレベルの成果を生み出すまでになった。

 

(チャイナネット)

 

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新華網日本語

「人工太陽」核融合、中国が開発の先頭に

新華網日本語 2016-06-07 13:45:06

 核融合発電は資源が豊富で環境汚染もないことから、科学界ではエネルギー問題と環境問題をすべて解決できる可能性が最も高い手段の1つだと考えられている。

 中国科学院の専門家によると、中国は21世紀初頭から国際熱核融合実験炉(ITER、イーター)計画に参加しており、10数年にわたる研究を重ねて、核融合開発や重要部品の製造技術などの水準が先進国並みに向上し、独自の知的財産権を有する核融合実験炉を建設できる力を備えるに至ったという。

 核融合発電は、地上で太陽を実現するとして「人工太陽」と称されているが、中国はその開発への道をひたすら走り続けた結果、これまでの「後続者」や「並走者」的な立場から、高い輸出力を備えた「先駆者」へと成長した。

 科学者らは、「核融合は海水から水素の同位体である重水素と三重水素(トリチウム)を抽出して利用するため、汚染物質をもたらすことはない。1リットルの海水からガソリン300リットルに相当するエネルギーを取り出せるとされており、現在の世界のエネルギー消費量と地球上にある海水の量から計算すると、全人類で使うエネルギーの数億年分を核融合でまかなえることになる」としている。

 国際宇宙ステーションや、欧州補給機、ヒトゲノムといった研究プロジェクトと同様、この分野の研究も国際的な科学技術協力プロジェクトとなっている。米、仏などは1980年代半ばから、ITER計画を立ち上げ、人類にクリーンなエネルギーを提供することを目的に、世界初の核融合実験炉の建設を目指してきた。中国は2003年からITER計画に参加、日欧露米韓中印の参加7極のうちの1極で、ITER計画に関わる総資金の9%を負担し、知的財産権を他極と共有できる。

 安徽省合肥市にある中国科学院プラズマ物理研究所は、その国際科学技術協力計画を中国国内で担う部署であり、核融合実験で大き成果を挙げてきた。同研究所の宋雲涛副所長によると、「中国が製造を請け負ったITER向け部品は100%国産化を果たし、すべて1回の検査で100%合格し、期日どおりに納入している。ITER機構長からは、中国は研究開発と生産において「他極の先を行く」との評価も受けている」という。

 中国が独自に建設を進めてきた人工太陽の実験装置「東方超環」(EAST)などの装置は、世界最先端の核融合実験室と対等な交流や対話を行っている。中国分担分のITERミッションを請け負うメーカーは20数社あるが、ITERと国内の核融合実験装置の建設で、いずれも白紙の状態から研究開発を進め、世界トップレベルの成果を生み出すまでになった。

 

(チャイナネット)

 

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