江蘇省泗洪県石集郷の建設現場で16日、更地化を行っている際に古代象の化石が発見された。中国社会科学院古脊椎動物・古人類研究所の専門家は、今から約5万年前の「淮河古菱歯象」の化石と初歩的に判断した。専門家はその肩甲骨の大きさから、これまで発見されている中で最大の淮河象だと推測した。人民網が伝えた。
江蘇省地質調査研究院の鄒松梅研究員は、「地層から判断すると、この古代象は今から約5万年前に生息していた。肋骨が不揃いなほか、頭蓋骨、臼歯、象牙、腿骨などの保存状態が比較的良好だ。この象の牙の先から尻尾までの長さは6メートル以上に達したと見られる。象牙の長さは2メートルほどだ」と述べた。淮河古菱象は長く頑丈な前歯を持ち、中国東部と日本で非常に繁栄していた。専門家は、これが現代のアジア象のいとこ、現代のアフリカ象の祖先だと考えている。この古代象は今から12−1万年前に生息し、更新世後期に突如絶滅した。
化石の発見現場は、今から約5万年前の下草湾古人類遺跡の時期と合致する。淮河流域全体が当時、温かく湿った気候で、まばらな森林と草原があった。先住民は象、サイ、鹿などと同じ大地に生活していた。この古代象の骨格は200平方メートルの範囲内に散乱していた。頭蓋骨は臼歯の前方に、腿骨は肩甲骨から少なくとも2メートル離れていた。脊椎骨も散らばっていた。これはこの古代象が異常な死を遂げ、かつ死後に複数の大型肉食動物に食べられたことを意味しているようだ。化石の発見現場は、現地の川の中に位置するため、川の中で死亡し、水の流れにより骨が移動した可能性も否定できない。
(人民網日本語版)
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