中国税関総署は8日、2016年4月の輸出と輸入を合わせた貿易総額は1兆9500億元と、前年同月比で0.3%減少したと発表した。輸出は同4.1%増の1兆1300万元、輸入は5.7%減の8275億元。貿易黒字は2980億元と45.8%拡大した。4月は輸出が拡大基調を辿った一方、輸入は依然として低迷が続き、貿易黒字の大幅な拡大につながった。
商務部研究院国際市場研究部の白明副主任は、4月の輸出は概ね予想通りだったと指摘。前月に比べ伸び率は低下したものの拡大基調は続いており、今後こうした伸びが常態化する可能性があるとの見方を示した。
今月下旬に開かれた国務院常務会議で、◇受注力のある収益性の高い貿易企業向けの融資を金融機関に奨励する、◇一部の機械・電気製品の輸出税還付率を引き上げる、◇国境を跨ぐ電子商取引を拡大するーーなどの貿易の安定拡大に向けた施策が複数打ち出されたことや、CFETS(中国外貨取引センター)の人民元為替レート指数が5週連続で安値を更新するなど、貿易企業にとって有利な為替環境にもなったことが背景にあるとみられる。
白副主任は「貿易安定策を若干強化したことや、前年同期に比べ元安が進行したことなどが輸出に有利に働いたが、政策効果が現れるまでには一定の時間が必要だ」と指摘している。
注意したいのは、4月の中国の対外貿易輸出先導指数が33.8と前月比で2.2ポイント上昇した点で、4-6月期の輸出圧力が緩和に向かう見通しであることを示している。うち、インターネット上で実施したアンケート調査の結果によると、4月の輸出担当者指数は37.5と前月比で1.4ポイント上昇、新規輸出受注指数は37.3と1.6ポイント上昇、輸出担当者信頼感指数も42.5と2.3ポイント上昇した一方、輸出企業総合コスト指数は28.3と0.8ポイントの低下となった。
(チャイナネット)
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