データを見ると、中国資本の「海外進出」は、「世界中で買収する」のではないだけでなく、より一層、努力する必要がある。中国企業の海外での M&A規模は10年前と比べて数十倍拡大したが、中国の対外投資のストックは世界の3.4%を占めるだけで、米国の24.4%にはるかに及ばない。英国、ドイツ、フランス、日本などの先進国と大きな差がある。
市場経済の視点から見ると、M&A契約は出資者のみが利益を得るのではない。中国企業の「海外進出」の依拠となる経路は、公開入札・応札及び交渉で、すべての関係者が受益者になってはじめて、最終的に契約に署名する。M&Aはウィンウィンが目的だが、提携が成功するかどうかはその縁による。
経済グローバル化の昨今、資本に国境はない。資本の天然の属性は価値の発見と実現であり、国籍とは無関係だ。
開放が進む中国経済は包括的で、中国資本は「海外進出」するが、海外資本も「誘致」しており、双方向の流動が中国経済の活力を示している。データから、今年第1四半期に中国の実質外資利用額は安定して増加していることが示された。3月に全国で新設された外資系投資企業は2,560社で、前年同期比で26.1%増加した。実質外資利用額は823億4千万元に上り、前年同期比で7.8%増加した。
国際通貨基金(IMF)は先ごろ、世界及び米国、ユーロ圏、日本の今年の経済成長率予測を一斉に下方修正したが、中国だけは今年と来年の2年間の成長率予測を上方修正した。中国企業と中国資本は「海外進出」を加速しており、中国経済の持続的な上昇は、逆風と襲撃に遭遇する世界経済に暖かい風を送ることを期待できる。
(新華社より)
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