2013年12月14日に月面軟着陸した中国の月探査機「嫦娥3号」は、すでに月での作業期間の世界最長記録を樹立した。嫦娥3号と月面ローバー「玉兎号」が撮影した、現時点で最も鮮明な高解像度フルカラー写真が、このほど初公開された。これらの写真とデータは世界の科学者と愛好家に無償で公開された。全世界は真実の月の様子を目にし、全世界の科学者は月研究の最新の資料を手にした。新華社が伝えた。
これらの写真は、人類がこれまで手にした月の写真と、何が異なっているのだろうか?中国科学院国家天文台の鄭永春副研究員は、「人類は1969 72年に月に6回上陸した。着陸地点は月の表側で、表側の写真を入手した。しかしこれは今から40年以上も前のことで、当時はまだフィルムカメラが使用されていた。着陸技術、探査方法、撮影技術も、現在と比べ大きく遅れていた」と説明した。
科学者が見れば、これらの写真には多くの科学情報が含まれている。まずは、月の土壌の力学的性質に関する情報だ。鄭氏は、「嫦娥3号の着陸機と月面ローバーの沈み込みを見れば、土壌の荷重容量を知ることができる。これは新たな月着陸機の設計の重要な資料になる。車輪の痕跡、深さからも、土壌の密度、すき間、摩擦などの性質を推測 判断できる」と話した。
大小と形がさまざまな月の石も、重要な研究内容だ。鄭氏は、「小天体衝突は、月面の最も重要な風化の過程だ。石の形、分布の密度により、そのエリアの形成の過程を見て取ることができる。例えば大きな岩が多ければ、衝突の回数が少なく、年代が古いことが分かる。小さな石が多ければ、衝突の回数が多く、比較的『若い』ことが分かる。また石の分布傾向の研究は、月面ローバーに障害物を回避させるため極めて重要だ」と述べた。
(人民網日本語版)
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