無人機というと、無人偵察機グローバルホークのような戦場の雄々しい姿を想像する人も多いだろう。しかし無人機は軍用だけではなく、一般人の生活にも身近になっており、様々な便利をもたらしている。人民日報海外版が伝えた。
オーストラリアの国営郵便局「Australia POST」は、無人機による郵送のテストを行っており、このほどメルボルンから初の小包を送り出した。Australia POSTは、豪民間航空安全庁の監督の下、同無人機は毎週2回のテスト飛行を行い、小包を郊外の50世帯に送り届けると発表した。「配達員」は目的地に到着後、ワイヤーにより小包を下ろす。小包が地面に着くと、ワイヤーを回収し、拠点に戻る。この無人機には、落下傘や警告ランプ、操縦士が障害物を見るためのカメラが内蔵されており、配送中のアクシデントを極力回避する。
Australia POSTの責任者は、「テストに成功すれば、当社は安全性と信頼性を100%保証した上で、2016年末に無人機による郵送を実現する」と述べた。これまでフィンランド、シンガポール、スイスなどの各国も、緊急時に無人機を使い過疎地に小包を届けられるよう、無人機による宅配テストを実施していた。
無人機は宅配のほか、消防でも活躍できる。30 60ヘルツの低周波音は、最も消火に適したエネルギーを生むことが明らかになっている。カナダ企業はこれに基づき、円盤状の無人機を開発した。同機は直接「消防士」に変身し、その音波により小火(ぼや)を消火できる。先進的な無人機は、摂氏1000度以上の高温にも耐えられる。火災状況を調べるほか、火が燃え盛るビル内を捜索し、リアルタイムで具体的なデータを伝送できるため、消防士はより合理的な消火 救助計画を立てられる。
スマートテクノロジーの発展に伴い、無人機は今や、ニュースの画面で紹介されるだけの存在ではなくなった。人々はその応用の潜在力を十分に発揮し、想像もできないような用途を生み出している。空撮、救助、映画撮影、出前など、ハイテク無人機には人々の生活に寄り添った、親しみやすい一面がある。無人機は今後、さらに多くのシーンで活用されそうだ。
(人民網日本語版)
関連記事:
英雑誌『ネイチャー』年度ランキング:中国科学院が世界の科学研究機関で連続して第1位に