市場調査会社Kantar Worldpanelが7日に公表したスマートフォンの最新統計によると、米アップル社の「iPhone」の中国におけるシェアは、ここ2年で初めて下落に転じた。一方、米国や英国、ドイツなどの国でも決して楽観視できない状況となっている。業界関係者は、アップル社のイノベーション能力の低下やアンドロイドを搭載するスマートフォンの価格と関係があると分析している。北京商報が報じた。
同報告によると、2014年8月以降、iOSの中国都市部でのシェアが初めて3カ月連続で停滞し、今年2月までに、15年比3.2ポイント下落した。同報告は、「iPhoneは、中国におけるシェアの一部を中国のメーカーにとられた。うち、華為(ファーウェイ)のスマートフォンが中国都市部で最も販売を伸ばし、シェアは24.4%で、アップルの22.2%を少し上回った。その他、中国のブランド 魅族とOPPOもシェアを拡大しており、それぞれ約6%。華為は最近、今年の主力となる新機種『P9』を公表した。業界では、iPhoneを追撃する商品と見られている」との見方を示している。
アップル社の製品のシェアが下落しているのは中国だけではない。米国、ドイツ、フランス、英国、スペインでも下落しており、それに対抗するアンドロイドはシェアを拡大している。今年の1-3月期にiOS商品の販売が好調だったのは、イタリア、日本、オーストラリアだけだった。
Kantar Worldpanelは、下落に転じている主な原因について、iPhoneの価格は、消費者の所得や携帯の予算とマッチしないと指摘。同社のモバイル市場のアナリストは、「米国では前四半期、消費者がスマートフォンに使った金額は352ドル(約3万8700円)。消費者の69%が手ごろな価格のアンドロイドを搭載したスマートフォンに流れている。そして、高価なiPhoneを選択した39%の消費者が、平均額を引き上げていた」と分析している。
「価格の差以外に、アップル社のアイデアの枯渇がシェア下落の主な原因。これまで、アップル社はスマートフォン業界のイノベーションとクオリティにおいて先頭を走っていた。しかし、昨年、iPhone 6Sが発売されて以降、セールスポイントが減り、消費者の『ほしい!』という意欲を刺激することができなくなった。また、iOSはバグが続発しており、販売にマイナスの影響を与えている」と業界関係者。統計によると、アンドロイドの中国におけるシェアは76.4%に達している一方、iOSは22.2%にとどまっている。最少はWindowsで0.9%。一方、アンドロイドの米国におけるシェアは58.9%、iOSは38.3%、Windowsは2.6%となっている。
(人民網日本語版)
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