中国では現在、「浮気相手撃退」という新手のビジネスが現れた。 参考消息が報じた。
スペイン紙「エル パイス」の2日付の報道によると、周霞さん(38)は、これまで全てを家族および夫とともに立ちあげた貿易業のビジネスに捧げてきた。6歳の娘がおり、3000万ユーロ(約37億8千万円)の財産も築いた。ところが、そんな彼女は最近、夫が浮気している証拠を発見。夫とやり直すために、ネットを通して結婚問題解決を手伝ってくれる業者に助けを求めた。
これまで、夫の浮気を発見した女性は「離婚」を選ぶことが多かったものの、今では、簡単に夫を浮気相手に譲ろうとしなくなっている。周さんもその一人で、その理由は、「私たちが所有しているもの全ては夫と二人で築いてきたもの。夫の浮気相手にやすやすと分け与えるわけにはいかない」からだ。
周さんが助けを求めたのは夫婦関係専門の会社で、15年の間に、5万組の夫婦の相談に乗ってきた。同社は支社3社を持ち、上海支社だけでも従業員50人以上を抱えている。同社は3年前に、「浮気相手撃退」のサービスを打ち出し、大人気となってきた。
同社の責任者は、「15年前に会社を立ち上げた時は、夫の浮気を発見した女性の80%が離婚を選んでいた。しかし、今の女性は、簡単に夫を浮気相手に譲ることはせず、やり直すために、戦うことを選ぶ」と説明する。
同社で「浮気相手撃退」を担当するスタッフの80%は女性。その理由は、女性のほうが説得力があり、態度も温和だからだ。1日に、電話やインターネットで200‐300件の問い合わせがあり、利用者10‐15人と実際に会って相談に応じている。利用料金は、会って相談に乗る場合1時間約300ユーロ(約3万7800円)、実際に浮気相手を撃退するとなると、3万ユーロ(約378万円)からと、決して安くない。
責任者によると、料金が高く設定されているのにも理由がある。まず、浮気相手の信頼を得る必要があり、その女性の近くで家を借り、将来のことをよく考えてくれる「良き隣人」になることもある。また、イケメンによる浮気相手への「つつもたせ」をしかけることによって別れさせることもあれば、浮気相手に手切れ金を渡し、身を引かせるようアドバイスすることもあるという。浮気相手を撃退するには通常、少なくとも数カ月が必要だ。
同社が雇っているのは主に、心理学や法学を専門とするスタッフで、結婚 家庭問題を専門とするカウンセラーの資格を有していることが絶対条件だ。また、年齢も35歳以上の人が多い。その理由は、「浮気相手」の信頼を得やすいからだ。
周さんのようなケースは、中国では決し珍しくない。他の国と同じく、中国の多くの女性の悩みは、夫の浮気だ。浮気した配偶者をまだ愛しており、経済的な余裕がある場合、今は「浮気相手撃退」という選択肢ができている。
(人民網日本語版)
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