日本政府はこのほど「女性の権益の促進」に関する会議において、政策を通じて「女性の仕事と生活の調和」を推進していく指針を決定した。政府の政策を積極的に導入する企業に対し、国の事業の入札募集で優遇する。政府の事業に入札する際、女性管理職の比率の高い企業や男性社員の育児休暇を積極的に導入している企業などに一定基準の加点を行い、それによって女性の雇用環境の改善を進めていきたいとしている。
日本では90年代中頃から労働力が減少し始め、深刻な労働力不足に直面している。安倍内閣は労働力を増やすため、高度技能移民の受け入れには慎重な一方で、日本の女性を家庭から解放し、労働力市場に振り向けるという政策を推し進めてきた。
世界経済フォーラムが発表した2015年度「世界ジェンダーギャップ報告」によると、日本の男女平等ランキングは世界145カ国中101位と、先進国の中で最低レベル。日本の共同通信社の調査によると、2015年10月時点で、当初「男女雇用機会均等法」の政策支援によって増えた大企業の女性管理職候補生のうち80%がすでに退職しているという。
1986年に実施された同法の目的は、採用や昇進面での女性差別をなくすことであった。同法の実施に伴い、企業は女性管理職候補生の採用を始めたが、毎日の残業や女性の仕事と家庭の両立を支援する政策の限界もあって、同法の推進によって入社した第一世代の女性はほとんど職場に留まることがなかった。その後30年、日本の女性の経済的地位はある程度改善されたものの、他の先進国には遠く及ばない。
近年日本では晩婚化や非婚化が一層進んでいるほか、不景気によって夫の収入だけでは家計を維持できなくなっており、このため日本の女性は以前に増して仕事を通じて経済的条件を改善し、自己価値の実現を求めるようになった。
日本国立社会保障人口問題研究所が日本国内の独身男女を対象に5年に一度実施する「結婚と出産に関する全国調査」(2010年版)によると、理想のライフスタイルとして独身女性で最も多かったのは「結婚し、出産後に再就職する」ことで35%を占めた。また「出産後も仕事を続けたい」女性は31%、「結婚後は専業主婦になりたい」女性は20%だった。
女性の就業と少子化対策を促進するため、日本政府は昨年11月に制定した緊急対策の中に「女性の仕事と生活の調和」を盛り込んだ。安倍内閣は「企業が意識を変え、社会全体で女性の仕事と生活が調和する環境を推進することが望ましい」と強調しているが、現実問題として、日本企業の新卒採用時には依然として女性差別が存在している。
その一方で、日本で幼稚園に入れない待機児童が2万人を超えていることも、働きたい女性の社会復帰を妨げている。安倍内閣が女性の就業に力を入れたとしても、女性の就業環境を現実的かつ有効的に改善し、真に女性の仕事と家庭の調和を実現するには、依然として厳しい課題が待ち受けている。
(チャイナネット)
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