原因は、中国人実習生の理想的とは言えない労働環境にある。岐阜県を例とすると、岐阜労働局が2015年に実習生を受け入れる83社を対象に調査を実施したところ、77社に賃金未払いや長時間労働などの違法行為が認められた。人数が最も多い中国人実習生は、長時間労働 低賃金という不公平な待遇を受けている。毎月12万円しか稼ぐことができず、日本と上海での稼ぎに大きな差はない。岐阜県ばかりではない。長野県のプラスチック加工場で働く6人の中国人実習生は、狭い平屋で共同生活を送っている。1ヶ月で181時間も残業するが、残業代は自給550円のみで、同県の最低時給(728円)を大幅に下回っている。過酷な労働環境により、中国人実習生は日本から逃げるか、実習先の企業を離れることで「住所不定」になり、より良い就業機会を模索している。情報によると、2015年に日本で失踪した外国人実習生は5803人で、うち中国人は3116人と最高の比率を占めている。
中国人実習生は低賃金で技能を身につけることができないという苦境に陥り、日本人がやりたがらない技術水準の低い仕事の労働力不足を補っている。単純な作業の繰り返しでは、技能が上達するはずもない。2014年に帰国した四川省出身の実習生は、日本側の実習先からの招待を拒んだ。朝から晩までホタテの殻剥きという労働内容は、日本の先進的な食品の知識を学ぶという当初の目的からかけ離れていたからだ。
これらの問題を解消するため、日本政府は専門家による懇談会を開き修正を行った。また2016年内に監督機関を設置し、外国人実習生に日本人と同等以上の賃金を支払うよう求める。日本では近年高齢化が続き、このほど人口が初めて減少した。日本は言うまでもなく、外国人の労働力を必要としている。東日本大震災による再建、東京五輪の開催などにより、日本は実習生制度の問題を効果的に解消できなければ、労働力不足という苦境に陥ることだろう。
(チャイナネット)
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