アメリカのヘンリー・キッシンジャー元国務長官は19日、「チャイナ・デベロップメント・フォーラム2016」の席上、「中米両国の間に、『トゥキュディデスの罠』は存在しない。両国関係の未来像は協力パートナーとしてのものであり、ライバルの関係としてのものではない」と語りました。
キッシンジャー氏は、また、「アメリカと中国の経済規模はそれぞれ世界首位と世界2位を占めており、多くの協力分野で建設的成果を収めている。一部の分野に見解の相違が存在しているが、双方は齟齬を解決し、共通認識の形成を模索する方向で強い意志を持っている」と強調しました。
『トゥキュディデスの罠』の回避についても、「昨今の国際情勢は、地域の衝突を解決し、平和秩序を構築することが大勢となっており、中米両国はともにそのための努力をしている」と述べた上で、「最近になり、中米関係を第一次世界大戦前のイギリスとドイツの関係に似ているとする言説があるが、これは正しくない。時代も世界も大きく変化している。50年以上を経て、世界各国は当時の出来事を教訓として受け止めており、世界大戦を再び引き起こそうなどという国は存在しないだろう」と語りました。
また、キッシンジャー氏は、中米関係の未来について、「ライバルとしてではなく、パートナーとして、長期的スパンで考えていくべきだ」と強調しました。
(中国国際放送局)
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