写真は大西(大同—西安)高速鉄道永済北駅で試験・調整を行う列車
最近の中国外交部(外務省)の定例記者会見では、外国人記者が毎回のように中国と周辺諸国の高速鉄道協力の進展について質問している。特に、プロジェクトの些細な問題や紆余曲折について根掘り葉掘り聞きだそうとするのだ。彼らはもっと重要なニュースを見過ごしているのかもしれない。それは、高速鉄道を代表とする中国の設備技術が急速に向上・アップグレードし、「メイド・イン・チャイナ」の世界的イメージに変化が生じているということだ。国務院の李克強総理は今年の政府活動報告で、中国の鉄道運行総距離が12万1千キロに達し、中でも高速鉄道は1万9千キロを超え、世界の 60%以上を占めたことを明らかにした。政府活動報告では、2020年までに中国の高速鉄道運行総距離を3万キロに伸ばし、大都市の80%以上をカバーする目標が提起された。人民日報が伝えた。
中国の高速鉄道はゼロから出発し、高速鉄道そのものと同じくスピーディな発展を遂げた。今年の春節(旧正月、今年は2月8日)期間中、米ロサンゼルス・タイムズ紙のジュリー・マキネン記者が北京から高速鉄道で山西省を訪れ、大いに驚いたという。マキネン記者はこの旅行について「急激に発展する中国では、1つの驚くべき成果も次の成果によってすぐに薄れてしまう」と文章に綴っている。
一方、中国の高速鉄道の「海外進出」も加速しており、いくつかの海外プロジェクトに大きな進展があった。国家発展改革委員会の徐紹史委員長によれば、すでに建設が始まった海外プロジェクトには、インドネシアのジャカルタ—バンドン間高速鉄道、中国—ラオス鉄道、中国—タイ鉄道、ハンガリー—セルビア鉄道などが含まれるほか、現地測量が始まったプロジェクトもいくつかあるという。中国鉄路総公司によると、現在ロシアのモスクワ—カザン高速鉄道、米国西部の高速鉄道などのプロジェクトが推進されている。
全人代代表で、中鉄隧道集団のチーフエンジニアの王夢恕氏は「中国は現在、米国、ロシア、ブラジル、タイ、トルコ、サウジアラビア、イランなど30カ国余りと高速鉄道プロジェクトについて協議している。中国が初めて請け負ったインドネシアの高速鉄道プロジェクトは多くの国から注目されている。これらの国々は、効率的な交通システムを構築し、地域間の連絡性を高め、経済成長の確固とした基盤を築きたいと望んでいる」と語る。
王氏はまた、「中国の高速鉄道は、ドイツやフランスと比べるとスタートがやや遅れたが、中国の各大手鉄道設備企業はコスト面の強みや合理的な納期、柔軟な融資モデルなどを生かし、急速な発展を遂げている。中国は欧州、日本、カナダなどの長い歴史を持つ競争相手と雌雄を決し、その後はスマート列車の研究開発に取り組みたいと望んでいる。スマート列車はスマート技術を採用し、デジタル化された列車速度の制御、車内環境の調節、故障検査などを可能にする」と語った。
トルコのイスタンブール—アンカラ鉄道が開通した際、トルコのホワイトカラー、パラさんは人民日報の取材に対し、「中国の高速鉄道は私の生活を変えた。もっと多くの高速鉄道をトルコに建設して欲しい」と語った。同高速鉄道は中国企業が海外で建設した初の高速鉄道であり、中国企業にとって欧州初の高速鉄道プロジェクトとなった。
中国がトップクラスの高速鉄道列車および関連設備を製造し、輸出する能力を持つようになったことで、中国の国際的イメージは一新した。米シカゴ交通局は3月9日に公告を出し、中国中車傘下の南車青島四方機車車両株式有限公司がシカゴの地下鉄車両846両のプロジェクトを総額13億ドル(約1475億円)で落札したことを明らかにした。プロジェクトが始動すると、中国中車はシカゴに工場を建設し、車両の組立を行う。シカゴに車両製造工場ができるのは35年ぶりのことで、現地で169人の雇用が生まれる見込みだ。第一弾の車両は19年の引き渡し、20年の運行開始を予定している。
(人民網日本語版)
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