仏経済紙「レゼコー」は先ごろ、中国経済は「砂上の楼閣のように崩壊することはない」と報じたが、記事の行間には中国経済に対する信頼感が満ち溢れている。
年初からの仏世論をまとめてみると、現在のフランス社会では、中国経済を評価する上でレゼコー紙の見方が主流となっているようだ。中国経済が困難に直面しているものの、過度な心配は不要との見方が広がっているもようだ。主要メディアやエコノミストは、中国経済が直面するリスクを誇張すべきではないとし、フランスも欧州も中国経済のモデル転換がもたらす新たなチャンスを逃してはならないと呼びかけている。
フランスが「中国経済は砂上の楼閣ではない」と確信するのには、3つの根拠がある。
【1】中国の実体経済は基盤が安定しており、市場の不安感は過剰。
仏紙「フィガロ」は1月の複数の分析記事で、「中国経済の成長には確かにブレーキがかかっているが、急ブレーキではない。多くのエコノミストは、中国経済は安定しているとの見方により傾いている」と指摘した。レゼコー紙は1月5日の社説で、「西側諸国は中国経済が一時的な難局にあることに慣れるべきで、中国経済の見通しに対する悲観ムードに浸るべきではない」と指摘した。
【2】中国政府にはシステマティック・リスクをコントロールできる手段がある。
中国の不動産市場についてフィガロ紙は、戸籍改革が実施されれば、数百万の農村世帯が中小都市に流入するため、不動産市場のリスクは低減するとの見方を示した。仏信用保険大手コファスのエコノミストは、「中国政府は適時に対処可能で、必要に応じて銀行システムに流動性を注入できる」と指摘した。コファスが中国に「A4」という高い信用格付を付与していることも、中国経済の「リスクはコントロール可能」ということを示している。
【3】中国経済のモデル転換が安定的に進んでいるうえ、経済構造も徐々に合理化しつつある。
フィガロ紙は、◇2015年の中国の映画興業収入前年比50%増、◇旅行支出2700億米ドル、◇GDP全体に占めるサービス業の比率が48.1%と工業の42.7%を上回る――などの例を挙げ、中国経済のリバランスは順調に進んでいると分析した。
フランスが中国経済に信頼感を抱く重要な理由は、フランス人が中国経済の減速・ギアチェンジを、「寒波」ではなく貴重な経済の「暖風」と受けとめていることだ。仏著名投資ファンドのハビエル・マリンCEOは、「中国経済は成長が鈍化しているものの、中国への投資を益々重視し、中国市場のチャンスは拡大いつつある」との見方を示した。
同氏はレゼコー紙で、「中国の対外直接投資は急成長しており、欧州の企業家にとっても重要な資金源だ。中国の投資家は企業の意思決定に関わる積極的投資家に変わりつつある。彼らは欧州企業に、より多くの中国市場への参入機会をもたらしてくれる」と強調した。
(チャイナネット)
関連記事: