独ハンデルスブラット紙はこのほど、「中国の多種多様な買い物リスト 中国がドイツ企業買収に意欲的」と題した記事を掲載した。記事の要約は下記の通り。
中国化工集団公司はこのほど、9億2500万ユーロでドイツの機械製造メーカー、クラウス・マッファイを買収した。これは中国のドイツにおける最大のM&Aだ。またドイツの廃棄物管理会社のEEWも、中国の投資家から注目を浴びている。中国側はクラウス・マッファイの倍額で同社を買収する可能性がある。
中国人のドイツでの投資は乱暴に見えるが、つぶさに観察すると2つの傾向があることが分かる。まず中国の投資家は「インダストリー4.0」の企業、すなわち工業生産のデジタル化・ネットワーク化を終えている企業に興味を示している。次に環境関連企業に対しても興味を示している。これには循環利用、水処理、エネルギーのリサイクルが含まれる。これらの件は不思議なことではない。中国政府がこれらの業界の発展を推進すると宣言したばかりだからだ。
中国の指導者は1990年代以来、企業に海外進出戦略を推奨してきた。しかしドイツにおける初の投資ブームで、一部の企業は失敗に終わった。中国の家電大手TCLは2002年、ドイツのテレビメーカーのシュナイダーを買収したが、わずか2年で終わりを告げた。
今や状況には大きな変化が生じている。中国企業はより慎重になり、ドイツの経営者も多くの自主権を手にしている。中国建機メーカーの三一重工は、ドイツのコンクリートポンプ大手プッマイスターを買収したが、これは成功例の一つだ。
中国企業だけでなく、中国当局も戦略を変えた。多くの国有企業のM&Aは先に許可を得る必要がある。中国商務部は長期的な戦略・計画を制定し、投資の参考資料として提供している。商務部には全面的な研究報告書が揃っており、全世界の重要な戦略的価値を持つ国をほぼ網羅し尽くしている。ドイツに関する報告書には関連法のほか、各業界の状況と優秀企業のリストが詳細に記録されている。
中国経済のモデルチェンジを目指す「中国製造2025」は、ドイツのインダストリー4.0を見本としている。買い物リストにある機械製造、自動車部品サプライヤーなどの業界は、モデルチェンジの中で重要な役割を果たす。中国製造2025は一つのルートマップを策定し、投資家が参考にする準則になっている。これはクラウス・マッファイが中国化工集団公司に買収された原因だ。両社は互いに強みを活かすことができる。ドイツの廃棄物処理業者の買収も似通ったケースだ。中国はごみ処理で厳しい課題を抱えているからだ。
クラウス・マッファイとプッマイスターは始まりにすぎない。中国は将来的に、より多くの大企業を買収することだろう。インダストリー4.0の関連企業、環境保護技術を持つ企業は注意が必要だ。
(チャイナネット)
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