独紙「ディ・ヴェルト」の記事によると、改革開放から30年余りが経つが、中国に居住する外国人の数は依然として少ない。「中国国際移民報告(2015)」では、中国に住む外国人の割合は他国と比べてとても低いと指摘する。現在、中国に在住登記する外国人は80万人以下で、中国の総人口の0.06%にすぎない。発展途上国の平均割合は1.6%で、インドですら0.4%である。一方、先進国の平均割合は10.8%に上る。
現代的な発展は移民者にとって有益である。北京の指導者はイノベーティブでクリエーティブな経済構造にしようと議論しているが、より良い計画を再考する必要がある。李克強総理はかつて、中国政府は「迅速で便利なやり方、かつ国際標準のやり方で、グリーンカードを発給する」と述べた。しかしこのグリーンカードは、教養の高い外国人専門家向けのものだ。そこにはIT分野のスタートアップ起業家なども含まれる。なぜなら中国はイノベーティブな人材に欠けているからだ。
中国公安部は、3月1日から「北京のイノベーティブな発展を支持する20項目の出入国政策措置」を実施することを発表した。しかし試験地は今のところ北京の中関村ITエリアに限られる。
アメリカを模範としながら、中国は2003年にグリーンカード政策をスタートさせた。しかし煩雑な条件があることから、それを取得した外国人はわずか数百人にとどまる。
交通システムや欧米式な消費形態、前衛的な建築など、中国の大都市は表面的には国際的大都市に見える。しかしEU商工会議所の会長であるJoerg Wuttke氏は、中国の都市の「ソフトがハードに全く追いついていないことが失望させる要因だ」と述べる。
中国はまだまだ移民国家とはいえない。外国人は大都市だけに集中している。中国には20315人のドイツ人がいるが、うち8500人が上海、7000人が北京に住む。一方、ドイツには11万人の中国人がいる。
中国のある大学で、上海と広州の2都市に住む外国人に対し居住・生活環境調査を行ったことがある。調査では、都市コミュニティの安全性に対する評価が高かった。しかし都市の清潔度、防火システム、スポーツ・レジャー活動に対しては不満が多い。彼らはまた、中国の高すぎる医療や保険費用や、コミュニケーションの問題についても不満を持つ。上海に住む外国人で中国語を話せるのは4割程度、広州は6割程度に過ぎないからだ。外国人が最も満足しているのは中国の食事だが、美食だけに頼るわけにもいかないだろう。
(チャイナネット)
関連記事:
(新華国際時評)世界の平和と発展という華やかな楽章を描き続ける
(新華国際時評)中国の友人グループは「堅実に行動するグループ」