香港紙・南華早報(電子版)は1月29日、「物価上昇を目指しマイナス金利を導入した日本、中国の立場に揺るぎなし」と題した記事を掲載した。要約は下記の通り。
アナリストは、日銀が消費と投資の刺激を目的に本日マイナス金利政策を導入したが、中国は自国の経済計画を維持すると述べた。
国務院発展研究センター研究員の丁一凡氏は、「中国は日本の通貨安競争に付き合うはずがない。欧州と同様、日本がマイナス金利によって、経済回復を直ちに実現する可能性は低い。中国にとっては、日本のやり方にならい、大規模な量的緩和策を講じることは、最悪の選択肢と言える。これは人民元の空売りにより利益を得たい、投機家に利益をもたらすだけだ」と述べた。
中国社会科学院日本研究所研究員の張季風氏は、「日銀の黒田東彦総裁は、日本がこの決定を下した要因の一つは中国だと述べた。しかし黒田総裁が日本経済の回復と成長を実現できず、物価2%上昇という目標を期限通りに実現できていないことが真の原因だ」と分析した。
張氏は、「日本の金融緩和策の拡大は、中国に大きな影響を及ぼさない。金利の調整とそれに伴う円安が、中日間の貿易と投資に影響を及ぼす可能性は低い。かつて中国の重要な貿易相手国で、主な投資提供国であった日本は、中国にとっての重要性を急速に失いつつある」と話した。
独コメルツ銀行駐シンガポールエコノミストの周浩氏は、「日本の金融緩和策は、中国により大きな圧力をもたらす可能性がある。しかし中国は慎重に対処しなければならない。短期的に見ると、中国の中央銀行は通常の操作により、国内の低金利を維持することになりそうだ」と指摘した。
日銀がマイナス金利導入を突如発表すると、金融市場に揺れが生じた。投資家は世界経済の動向に懸念を抱いており、甘利明氏の辞職を受け、環太平洋経済連携協定(TPP)を含む日本経済の先行きを不安視している。甘利氏の後任の石原伸晃氏の能力も疑われている。
(チャイナネット)
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