中国外文局と日本の言論NPOが共同で実施した第11回北京―東京フォーラム「2015年中日共同世論調査」の調査結果が22日、北京で発表されました。調査結果によりますと、去年に比べて、回答者の相手国に対する好感度が依然として低く、領土問題や歴史問題など敏感な問題における意見の食い違いが目立っているものの、両国関係に対する見方にはやや積極的な変化が見られたということで、両国間が関係回復に向けた民意の醸成にもつながる変化だろうと見られています。
調査では、「中日関係は現在重要である」(どちらかといえば重要であるを含む)と答えた回答者は中国で前年比5.1ポイント増の70.1%となり、 5年ぶりに上昇に転じました。日本では前年比3.8ポイント増の74.4%となっています。
また、相手国に「良くない印象」(どちらかといえば良くないを含む)を持つと答えた回答者は中国で78.3%となり、去年の86.8%から好転した一方、「良い印象」(どちからといえば良いを含む)は前年比10ポイント増の21.4%まで上昇しました。日本では中国に「良くない印象」を持つと答えたのは88.8%で、去年の93%からやや改善しました。
その一方、「日中関係の発展を妨げるもの」について、「領土問題」と答えたのは中国で66.4%、日本で56%となり、両国民の間で最も懸念されていることが明らかになりました。今年8月に発表された「安倍談話」に対しては、中国で74.1%が「評価しない」(あまり評価しないを含む)と答えています。なお、日本首相の靖国神社参拝問題について、「公私ともに参拝すべきではない」と答えたのは中国で60.2%となっています。
今回の調査は今年8月下旬から9月末にかけて、中日両国で同時に実施されたものです。同調査が2005年から始まって以来、北京―東京フォーラムの重要な構成要件として、両国の民意を反映し、相互理解を深めるための重要な手段の1つとなっており、フォーラム全体にとっても、参考指標と話題を提供する重要な根拠のひとつとなっています。
北京―東京フォーラムは、2005年から年に1回のペースで北京と東京で交互に開催され、中日間のハイレベルな交流プラットホームの1つとなっています。中国外文局と日本の言論NPOの主催による第11回北京―東京フォーラムは23日に北京で開かれ、中日各界からゲストやパネリスト計500余名が参加する予定です。
参加者らは、両国の政治や外交、経済貿易などの分野における議題に関し、広く議論を繰り広げ、両国関係の長期的且つ健全な発展を推進するため、衆知を集めます。
(中国国際放送局)
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