日本市場の追い風を受けるブランドとしては「バーバリー」を忘れてはならない。同グループの上半期財政年度のアジア太平洋地域での売り上げは全体として不調だったが、日本市場だけは別で、増加幅は30%を超えた。
2011年以来、訪日観光客数は2倍以上に増加し、日本のデパートの(免税品などの)販売額は3倍に高まった。一部の店舗では、観光客の販売額への貢献率は40%に達している。こうしたデータはバーバリーに自信を与えている。同社は、重点都市に新たな旗艦店をいくつか開設したほか、日本の主要紙にも広告を掲載し、バーバリーの伝統的な価値を強調し、ブランドのぜいたく品としての位置づけの強化をはかっている。
業界関係者によると、日本経済は長年にわたって停滞期にあるものの、日本は、アジアのぜいたく品消費の最も活発で安定した市場となりつつある。
▽内外の需要が堅調
「日本には成熟しかつ巨大な中古ぜいたく品市場がある。これもまた日本国内の安定したぜいたく品ニーズを一定程度反映している」と、あるブランド品グループの社員は語る。確かに日本では90年代のバブル崩壊の際にも、その他の産業が大きな打撃を受けている一方、豪華ブランドだけは、ホワイトカラーの購入人気を保ち、倒れることがなかった。
ぜいたく品ブランドのターゲットの一つは日本国内の富裕層である。野村総合研究所の統計によると、金融資産が1億円を超える日本の富裕世帯は2013年には101万世帯に達し、2年で20万世帯増加した。そしてももう一つのターゲットが中国からの訪日旅行客である。