1980年代末、日本がバブル経済を迎えていた時期にも、日本企業は、資金と円高の強みを利用して、大規模なM&Aを海外で展開した。1989年、日本三菱地所は2200億円の高価格でロックフェラーセンターの14棟のオフィスビルを買収した。賃貸料上昇による大きなリターンを期待したものだったが、無闇な投資は巨額の損失を生む結果となった。三菱は、国際的な投資とM&Aを進めた当時の多くの日本企業の縮図に過ぎない。多くの企業の海外投資は失敗に終わり、海外資産は売却を迫られた。
富士通総研の金堅敏 主任研究員によると、1980年代の海外M&Aとはまったく異なり、現在の日本企業は過去の失敗の教訓を汲み取り、長期的な目線から国際的な投資とM&Aによって企業の世界的な産業配置を進め、現地市場を積極的に開拓して新たな収益源を獲得し、最終的に利益の成長を実現しようとしている。
例えば日本の3大ビールメーカーの一つであるキリンホールディングスは東南アジア市場で、フィリピン最大のビールメーカーへの投資を中心に業務を展開している。同社はさらに今年8月、ミャンマー最大のビールメーカーであるミャンマー ブルワリーを買収したと発表した。潜在的な成長力を持った東南アジア市場での業務発展を進め、市場を拡大する狙いだ。金主任研究員によると、管理と研究開発の現地化を重視し、核心技術での競争力を高めることなどが、日本企業の海外M&Aの成功のカギとなっている。
(チャイナネット)
専門家:インターネット金融で変わるのは形態だけで、金融の本質は覆されない