8月の中国の主要マクロ経済統計は今週中に出揃う。各機関の予測では、輸出、投資、消費、工業生産など重要指標の改善が見込まれている。中国経済は安定化に向かいつつある。
すでに発表された8月の経済先行指標から、経済構造の転換が加速していることがうかがえる。製造業購買担当者指数(PMI)が好不況の分かれ目となる50を下回る一方、ハイテク製造業PMI、消費関連産業PMIはそろって景気拡張傾向を維持している。
工業生産に対し、市場では楽観的な見方が浮上している。モルガンスタンレー華キン証券の章俊 マクロ経済研究主管は上海証券報の取材で、「8月PMIの低下には一過性要因があり、必ずしも工業生産の現状を反映したものとは言えない」と指摘した。全国の工業電力使用量、鉄道貨物輸送量、鋼材価格や生産量といった指標は、前月比で増加するなど、いずれも改善傾向にある。これを踏まえ、章主管は「工業生産が安定する兆しが表れている」との見方を示した。
8月の鉱工業生産について、多くの機関は前月に比べ大幅に回復すると見込んでいる。なかでも、交通銀行金融センターは7%増と予測。この予測通りであれば、8月の鉱工業生産は今年に入ってからもっとも高い伸び率を記録する。